遊山メンバー
ユウ
渓流ルアーフィッシングにおいて、感度が良く飛距離が出るPEラインは、アングラーにとって強力な武器になります。
しかし、ナイロンやフロロカーボンからPEラインに巻き替えた初心者の多くが、「糸が絡まる」「結び目ができる」「ルアーだけ飛んでいく(高切れ)」といったトラブルに悩まされます。実はそのトラブルの多くは、「スピニングリールへPEラインを巻く際の手順」に原因が隠れていることが多いのです。
「最初は適当に巻いていた」
これは僕も含め、誰もが通る初心者あるあるです。しかし、PEラインは非常にしなやかで滑りやすいため、正しく巻かれていないとキャスト時に一気に放出されてしまい、修復不可能な絡み方をしてしまいます。
この記事では、PEラインを巻く前の準備から、テンションを掛けて巻く重要性、適正な巻き量までを順番に解説します。正しい巻き方を身につけるだけで、現場でのライントラブルは驚くほど減らすことができますよ!
1. PEラインを巻く前の準備と「下巻き」
まずは、新しいPEラインをスピニングリールに巻く前の準備についてです。
渓流用リールとの相性とPE号数
渓流釣りでは、一般的に1000番〜2000番の「小型スピニングリール」を使用します。PEラインの太さ選びの記事でも解説した通り、初心者には少し太めの「0.6号」が扱いやすくおすすめです。
「下巻き」が必要な理由とは?
リールのスプール(糸を巻く部分)には、「シャロースプール(浅溝)」と「ノーマルスプール(深溝)」があります。
もし深溝のスプールに細いPEラインを直接巻いてしまうと、糸巻き量が足りずにスプールのエッジ(縁)が大きく余ってしまいます。この状態では、キャスト時にラインがエッジに強く擦れてしまい、飛距離がガタ落ちしてしまいます。
これを防ぐために、あらかじめ不要なナイロン糸などをスプールの底に巻いて底上げをする「下巻き」という工程が必要になる場合があります(※最初から浅溝のスプールを使えば、この下巻き作業を省略できるので初心者にはおすすめです)。
【初心者向け補足】最初は釣具店へお願いするのもおすすめ!
「下巻きの計算が難しい」「自分で綺麗に巻けるか不安」という方は、無理をせずに釣具店のスタッフさんにお願いするのも賢い選択です。
上州屋やキャスティングなどの大型釣具店では、新しいラインを購入した際に、リールを持ち込めば専用の機械で綺麗にラインを巻いてくれるサービス(糸巻きサービス)を実施していることが多いです。
※ただし、店舗や地域によって「無料かどうか」「持ち込みリールの対応可否」「料金」などは異なる場合があります。事前に店舗へ確認することをおすすめします。
最初は快適に釣りを楽しむことを最優先にし、プロの綺麗な糸巻きを見て勉強させてもらうのも上達の近道です。
2. 自分で巻く際の最重要ポイント:「テンション」
自宅で自分でラインを巻く場合、絶対に意識してほしいのが「ラインにテンション(張る力)を掛けながら巻く」ことです。これが、ライントラブルを防ぐ最大の鍵になります。
フワフワに巻くのは絶対にNG
PEラインはとても柔らかい糸です。もしテンションを掛けずにフワフワの状態でスプールに巻き取ってしまうと、キャストした瞬間に「まとまった糸の束」がドバッと一気に放出されてしまいます。
これがガイドに絡まり、空中でルアーだけが飛んでいってしまう「高切れ」や、糸がぐちゃぐちゃになる「バックラッシュ」といった悲劇を引き起こします。(僕も何度この現象で高価なミノーを失ったか数え切れません……)
濡れタオルや指で押さえて、硬く巻き取る
これを防ぐためには、糸を巻く際にラインを濡れタオルで挟むか、専用の糸巻き機を使い、常に「ピンッ」と張った状態(テンションが掛かった状態)でリールのハンドルを回す必要があります。
しっかりテンションを掛けて巻かれたスプールは、指で押してもカチカチに硬くなっています。この状態であれば、キャスト時のライントラブルは大幅に減らすことができます。
3. 「巻きすぎ」と「巻かなすぎ」を防ぐ適正量
テンションの次に重要なのが、「スプールにどれくらいの量の糸を巻くか」という問題です。ここで欲張ってしまうと、現場で痛い目を見ます。
スプールエッジから「1〜2mm下」が適正
PEラインの適正な糸巻き量は、スプールのエッジ(縁の斜めになっている部分)から「1〜2mmほど低い位置」までです。
巻きすぎ問題(糸ヨレと大量放出の原因)
「せっかく買った糸だから、もったいないし全部巻いてしまおう」と、スプールから溢れそうなほどパンパンに巻いてしまうと、スプールエッジによる「糸の放出を抑えるブレーキ」が効かなくなります。
その結果、キャスト時に糸がドバッと出すぎてしまい、糸ヨレや致命的な絡み(通称:ピョン吉)が発生する原因になります。
巻かなすぎ問題
逆に糸巻き量が少なすぎると、キャスト時にラインがスプールエッジに強く擦れてしまい、抵抗が大きくなってルアーが全く飛ばなくなってしまいます。深溝スプールで下巻きを怠った場合に起こりやすいミスです。
まとめ:釣行前夜の準備から、渓流釣りは始まっている
スピニングリールへのPEラインの巻き方と、初心者が陥りやすいミスについて解説しました。
糸を巻く作業は地味に見えるかもしれませんが、この準備を怠ると、せっかくの美しい渓流で「ルアーを投げる時間」よりも「絡まった糸をほどく時間」の方が長くなってしまいます(※根がかり以上のタイムロスになります)。
釣行前夜、静かな部屋でリールを回しながら、「明日はどんな魚に出会えるだろうか」と思いを巡らせる時間も、渓流釣りの豊かな時間の一部です。
「テンションを掛けて、巻きすぎない」という基本ルールを守り、もし不安なら釣具店に頼りながら、トラブルのない快適な状態へタックルを仕上げて釣り場へ向かいましょう!
ユウ
リールにラインを正しく巻けたら、次はラインの基礎知識からノットの結束まで、システム全体を完璧に仕上げていきましょう!

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