夏休みになると、「今年は子どもを連れて川で釣りをしてみたい」と考える人も多いと思います。
冷たい川の水に触れたり、初めて魚を釣ったり、普段は見ない水辺の生き物を探したり。自然の中で過ごす1日は、大人が思っている以上に子どもの記憶に残るものです。
ただし、いつも大人だけで楽しんでいる渓流釣りと、子どもを連れて行く釣りはかなり別物。
魚を釣ることよりも、「無理なく楽しめる場所を選ぶこと」と「大人がちゃんと見守れる余裕を作ること」の方がずっと大切です。
ユウ
初めてなら、設備の整った管理釣り場でシンプルなエサ釣りから始めるのもいいですし、自然河川へ行くなら「釣果」より安全を最優先にした場所選びが必要です。
今回は、僕自身の失敗談も交えながら、子どもと一緒に川釣りを楽しむときに意識したい場所選び・安全装備・遊び方をまとめます。
初めてなら、まずは設備の整った管理釣り場が始めやすい
子どもと初めて釣りへ行くなら、僕はまずエサ釣りができる管理釣り場や釣り体験施設を候補に入れます。
自然河川がダメというわけではありません。
ただ、自然の川には流れ・急な深み・滑りやすい石・増水など、大人だけの釣りでも気をつけたい要素があります。
初めての1回からそこを全部背負うより、まずは「魚を釣るって楽しい!」を体験できる環境を選ぶ方が、親も子どもも余裕を持ちやすいんですよね。
| 比較項目 | 管理釣り場・釣り体験施設 | 自然河川 |
|---|---|---|
| 釣りやすさ | 放流魚を狙える施設が多く、初心者向けエリアが用意されている場合もある | 魚の居場所を探す必要があり、釣れないことも普通にある |
| 足場 | 整備されている施設も多いが、場所によって異なる | 滑る石・急斜面・深みなど自然地形への注意が必要 |
| 設備 | トイレ・休憩所・レンタルなどがある施設も多い | 基本的に設備がない場所も多い |
| 事前確認 | 対象年齢・料金・レンタル・持ち帰り・BBQなど施設ルールを確認 | 天気・水位・入渓場所・遊漁券・禁漁期間などの確認が必要 |
ただし、管理釣り場だから水の事故が起きないわけではありません。
施設ごとに川の形や水深、対象年齢、ライフジャケットのルールも違うので、行く前に必ず公式サイトで確認しておきましょう。
自然の川へ行くなら「今日晴れているから大丈夫」で決めない
子どもと自然河川へ行くなら、釣具より先に確認したいのが天気と川の状態です。
特に夏の川で怖いのが急な増水。
自分たちがいる場所では青空が見えていても、上流で強い雨が降れば川の水位が急に上がることがあります。
気象庁でも、上流の大雨によって雨の降っていない下流で急な増水や水難事故が起きる可能性を案内しています。
僕も釣行前には天気予報だけではなく、雨雲の動きや川の水位を見るようにしています。
子どもを連れて行く日なら、いつも以上に慎重なくらいでちょうどいいです。
- 前日から強い雨が降っていないか
- これから上流に強い雨雲が来ないか
- 水位が普段より高くないか
- 水が急に濁ってきていないか
- 落ち葉や枝などが急に多く流れてきていないか
- ダム放流などの警告・サイレンがないか
ひとつでも「ちょっと嫌な感じがするな」と思ったら、その日は川へ入らない。
子どもとの釣りでは、このくらいの判断でいいと思っています。
水位や雨量は、国土交通省の川の防災情報でも確認できます。
ライフジャケットは「浅いからいらない」と考えない
子どもを水辺へ連れて行くなら、ライフジャケットはかなり重要です。
国土交通省の河川水難事故防止ポータルでは、子どもの膝下程度の水位でも、強い流れや思わぬ深み、滑りやすい石などがあるためライフジャケットの着用を案内しています。
「今日は水が浅そうだから大丈夫」ではなく、川へ入ったり水際で遊んだりするなら着せるくらいで考えておいた方が安心です。
大人用をそのまま着せるのはNG
子どものライフジャケットは、身体のサイズに合ったものを選びます。
大きすぎるものは水に入ったときにずり上がったり、身体から抜けたりする可能性があります。
特に子ども用では、すっぽ抜けを防ぎやすい股下ベルト付きなど、身体へしっかり固定できるタイプを選び、着用後にベルトが緩んでいないか確認します。
そして、子どもだけ着れば終わりではありません。
一緒に川へ入る大人もライフジャケットを着ておいた方がいいです。
万が一子どもが流されたとき、助けようとした大人まで事故に遭うケースがあります。
「自分は泳げるから」は川ではあまり当てにしない方がいいと思っています。
詳しい着用の考え方は、国土交通省の河川水難事故防止ポータルでも確認できます。
足元は、脱げにくく滑りにくい靴を選ぼう
もうひとつ忘れたくないのが足元です。
川底の石は、見た目以上にツルッと滑ることがあります。
そのため、脱げやすいサンダルではなく、かかとが固定されていて、つま先まで覆えるマリンシューズなどを選びたいところです。
大人がウェーディングシューズを履いている横で、子どもだけペラペラのサンダルという状態は避けたいですね。
「今日は浅瀬だけだから」と油断せず、ライフジャケットと靴はセットで考えておきましょう。
子どもの釣りは「釣らせる」より「見守れる仕組み」を作る
僕が友人の子どもにルアー釣りをさせて失敗した一番の理由は、釣り方そのものより、大人側に余裕がなくなったことでした。
キャストを教える。
根掛かりを外す。
絡んだラインを直す。
魚も探す。
そこへ川で遊びたい子どもが加わると、もう普通に忙しいんですよね(笑)。
その点、初めての釣りなら、リール操作のないシンプルなのべ竿や、管理釣り場のレンタルタックルを使ったエサ釣りは始めやすい選択肢です。
ただし釣り針は小さくても鋭いので、エサ付け・針外し・仕掛けの交換などは、慣れるまでは大人が担当した方が安心です。
施設によって使える仕掛けや針のルールも違うので、その場所の案内に従いましょう。
自然河川では遊漁券や釣りのルールも忘れずに
管理釣り場ではなく自然の川で釣る場合は、「川があるから自由に釣っていい」というわけではありません。
河川によっては漁協が遊漁規則を定めていて、遊漁券が必要だったり、釣りができる期間・区域・魚の大きさなどにルールが設けられていたりします。
子ども料金が設定されている場合や、年齢によって遊漁料が異なる場合もあるので、行く川が決まったら漁協や自治体の公式情報を確認してください。
水産庁も、河川・湖沼では遊漁料、遊漁期間、禁止区域などが水面によって異なるため、漁協や都道府県の担当部局へ確認するよう案内しています。
釣れなくなったら、釣りにこだわらなくてもいい
子どもと釣りへ行くとき、大人側が一番やってしまいがちなのが「なんとか1匹釣らせたい」と粘りすぎることです。
気持ちはめちゃくちゃ分かります。
でも子どもからすると、ウキを30分見続けるより、目の前を歩いているカニを追いかける方が面白いこともあります。
そこで「釣りしなさい!」となると、せっかく川まで来たのにお互い疲れてしまいます。
飽きてきたら、一度竿を置いて自然遊びへ切り替えるのも全然アリです。
安全が確認できた場所なら、石の形を見たり、水際から生き物を観察したりするだけでも十分楽しめます。
以前は僕も、川虫をたくさん捕まえる方法を遊びとして紹介していました。
でも自然河川では、生き物の採捕ルールが地域によって違ったり、石を必要以上に動かすことで水生生物のすみかを荒らしてしまったりすることがあります。
今は、「捕ること」より「見つけて観察すること」くらいが、子どもとの川遊びにはちょうどいいと思っています。
石を少し持ち上げて生き物を観察した場合も、終わったら元の場所へそっと戻しましょう。
川遊び中は「誰かが見ているだろう」にしない
家族や友人グループで川へ行くと、大人が何人もいることで逆に油断することがあります。
「お父さんが見ていると思った」
「お母さんが一緒だと思った」
となるのが一番怖いところです。
複数の大人がいるなら、今誰が子どもを見ているのかを決めておきましょう。
見守る担当になったら、釣りやスマホへ夢中にならず子どもを見る。
一緒に川へ入る場合は、大人が子どもの下流側に位置することも、万が一流された場合への備えになります。
東京都の子ども向け水難事故防止情報でも、大人の役割分担や、見守る人はよそ見をしないことが紹介されています。
深い場所・流れの速い場所・堰の近くには連れて行かない
ライフジャケットを着ているから、どこでも遊べるわけではありません。
自然河川へ子どもを連れて行くなら、僕なら少なくとも次のような場所は避けます。
- 流れが速く、立っているのが難しい場所
- 急に深くなる淵
- 大きな落ち込みや滝の近く
- 堰・堰堤など人工構造物の周辺
- 増水すると取り残される中州
- 川からすぐ逃げられる場所がないところ
子どもの川遊びでは「このくらいなら大丈夫かな」より、ちょっと物足りないくらいの場所を選ぶ方がいいと思っています。
水深が子どもの膝下程度でも、流れが強ければ足を取られる可能性があります。
浅さだけで安全を判断しないようにしましょう。
もし子どもが流されても、慌てて飛び込まない
想像したくない場面ですが、万が一に備えて大人側が知っておきたいこともあります。
子どもが流されたとき、反射的に飛び込みたくなると思います。
ただ、溺れている人を助けるために水へ入る行為は、救助に向かった側まで流される危険があります。
川で事故が起きた場合は、まず119番などへ救助を求め、周囲の人にも助けを求めます。
安全な場所から届くのであれば、浮くものやロープ、長い棒などを使って助ける方法を考えます。
子どもを守るためにも、まず大人自身が事故に巻き込まれないことが大切です。
釣った魚を食べるなら、BBQができる場所か先に確認しよう
子どもと一緒なら、自分で釣った魚を食べるのも楽しい体験です。
特に管理釣り場では、BBQスペースや魚を焼ける設備が用意されている施設もあります。
ただし、自然河川ではどこでも自由に火を使えるわけではありません。
河川敷やキャンプ場ごとに火気・BBQのルールが違うため、必ず利用する場所の公式ルールを確認してください。
釣った魚をその場で食べる場合は、夏場の温度管理にも注意が必要です。
すぐ調理しない魚は適切に冷やし、調理前には手や器具を清潔にします。
農林水産省も、BBQでは生の魚を他の食品と分けて保冷し、魚介類は中心までしっかり火を通すよう案内しています。
小さい子どもへ食べさせる場合は、骨にも気をつけながら大人が確認してあげましょう。
子どもとの渓流釣りは「釣果より余裕」くらいでちょうどいい
子どもと一緒に川へ行く日は、大人だけの釣行とは目的を少し変えた方が楽しめます。
朝から夕方までガッツリ釣る必要もないし、難しいポイントへ入る必要もありません。
魚を1匹釣って大喜びする日もあれば、結局ほとんど釣りをせず、川辺で石を探して終わる日もあると思います。
それでも、本人が「また川に行きたい!」と思ってくれたら十分成功です。
大人が釣果を追いすぎず、子どものペースに付き合える場所とスケジュールを選ぶ。
そして、ライフジャケット・天気・川の状態だけは妥協しない。
このくらいのスタンスで、夏の川を家族で楽しんでいきたいですね。
友人の子どもに何とかルアーで1匹釣らせようとしていた頃は、完全に僕の方が必死でした(笑)。でも子どもたちは、魚より川辺の生き物を見つけたときの方が楽しそうだったりするんですよね。それ以来、「今日は釣りに来たんだから釣ろう」ではなく、その日の興味に付き合うようにしています。安全だけは大人がしっかり守って、あとは一緒に川を楽しむ。それくらいが家族の釣りにはちょうどいいと思っています。

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