渓流へ入ると、同じ一日の中でも足元はかなり変わります。
駐車場所から林道を歩き、土の斜面を下り、河原の石を越えて、最後は濡れた岩や水の中へ。
そこで迷いやすいのが、ウェーディングシューズのソールです。
「フェルトがいいの?それともピンが付いている方がいい?」
初心者だと、見た目だけでは違いが分かりにくいところですよね。
遊山メンバー
ユウ
渓流でよく使われるのは、大きく分けるとフェルトソールと、フェルトに金属ピンを組み合わせたピンフェルト系です。
メーカーによって「カットピンフェルト」「フェルトスパイク」など名称は違いますが、考え方としては近いものがあります。
大切なのは「どちらが最強か」ではなく、自分がよく行く渓流でどんな地面を歩くことが多いかです。
フェルトとピンフェルトは何が違う?
苔やヌメリのある渓流ならフェルトが候補になりやすい
フェルトソールは、靴底の広い面に繊維状のフェルトを使ったタイプです。
モンベルは、現行の「フェルト ウエイディング シューズ」について、ポリプロピレン製フェルトをコケやぬめりに強いソールとして採用しています。
シマノもカットフェルトを、表面が滑らかな一枚岩などでグリップ性能を発揮し、渓流釣りにも対応するソールとして展開しています。
自分がフェルトを選んでいる理由もここです。
普段行く渓流では、苔やヌメリのある岩を踏む場面が多いので、現在はモンベルのフェルト ウエイディング シューズを使っています。
ただし、フェルトだから滑らないわけではありません。
岩の形、苔の付き方、砂、落ち葉、水流などで足元の条件は変わります。
ピンフェルトは凹凸のある岩も含めて考えたい
ピンフェルト系は、フェルトの中に金属ピンを配置したタイプです。
シマノのカットピンフェルトは、フェルトの摩擦に加えてピンを組み合わせ、凹凸の多い岩場まで含めて幅広く使うソールとして説明されています。
DAIWAでは同じ系統を「フェルトスパイク」と呼んでいます。
フェルト面だけではなくピンも接地するため、凹凸のある石や硬い岩場を含むフィールドで比較候補になります。
とはいえ、こちらもピンが付いている=どんな場所でも安全ではありません。
平らな場所、濡れた場所、土、砂利、人工物など、接地する面によって感触は変わります。
一日の中で歩く地面は一種類ではない
ウェーディングシューズを選ぶ時に忘れたくないのが、川の中だけを歩くわけではないことです。
例えば、
- 舗装された駐車場所
- 林道
- 土の斜面
- 砂利の河原
- 乾いた岩
- 濡れた岩
- 苔やヌメリのある石
- 水中の石
と、一回の釣行でもかなり変わります。
川まで長い距離を歩く人と、駐車場所の近くからすぐ入渓する人では、同じ渓流釣りでもシューズに求める条件は違います。
渓流用ウェーディングシューズを選ぶ5つのポイント
① よく歩く地面からソールを決める
最初に見るのは、やはりソールです。
苔やヌメリのある渓流の岩を中心に考えるならフェルト。
フェルトの特性に加えて、凹凸のある岩場なども含めて使いたいならピンフェルト系。
このくらいの整理から始めると分かりやすいです。
ただ、舗装路や乾いた登山道を非常に長く歩くなら、今回扱っている2種類以外にラバー系のソールを検討する余地もあります。
「渓流=必ずフェルト」と決めるより、釣り場までを含めた一日の移動で考えます。
② 普段のスニーカーサイズだけで決めない
ウェーディングシューズは、普段履きのスニーカーと同じ感覚だけでサイズを決めない方がいいです。
クロロプレンソックスやストッキングウェーダーと組み合わせることがあるため、製品側もそれを想定したサイズ設計になっている場合があります。
自分が使っているモンベルでは、普段のスニーカーより約0.5cm大きい感覚のサイズを選び、ソックスで調整しています。
ただし、これは自分の足と使い方でそうしている一例です。
モンベルの現行フェルト ウエイディング シューズ自体も、厚手のクロロプレンソックスやウェーダーソックスを想定した大きめのサイズ設計とされています。
シマノやDAIWAにもそれぞれクロロプレンソックスを考慮したサイズ設計・案内があるので、単純に「普段より+0.5cm」を全員の基準にはしないでください。
サイズ選びは、渓流釣り初心者向け!ウェイディングシューズのサイズ選び完全ガイドで詳しくまとめています。
③ 足首のホールドと履きやすさを見る
渓流では平らな場所だけを歩くわけではないので、シューズのフィット感も重要です。
足が靴の中で大きく動かないか。
足首を締めやすいか。
ウェーダーやゲーターを装着した状態でも脱ぎ履きしやすいか。
こうしたところも確認したいポイントです。
今使っているモンベルのフェルト ウエイディング シューズは、自分には履きやすく感じています。デザインも気に入っているので、ソールの状態を見ながら長く使っていきたいと思っています。
夏にゲーターと組み合わせるスタイルについては、渓流釣りのゲータースタイルとは?初心者向けに必要装備・メリット・注意点を解説も参考になります。
④ 水抜けと乾燥のしやすさを見る
ウェーディングシューズは、水へ入ることを前提にした製品が多くあります。
今回紹介するモンベル、DAIWA、SHIMANOの製品も、水抜けを考えたメッシュや排水穴、ウォータースルー構造などを採用しています。
特にゲータースタイルではシューズ内部まで水が入るため、排水構造は確認しておきたいところです。
ただし「排水する=すぐ完全に乾く」ではありません。
釣行後は泥や砂を落とし、内部まで乾燥させます。
⑤ ソールを交換できるか確認する
フェルトもピンも消耗します。
シューズ本体がまだ使えるのに、ソールだけ摩耗することもあります。
今回の製品では、
- モンベル:ソール張り替え可
- SHIMANO:ジオロックで対応ソールへ交換可能
- DAIWA:対象モデルはメーカー修理でソール交換対応
という違いがあります。
長く使うつもりなら、購入時に交換方法まで見ておくと後で判断しやすいです。
使用後の洗い方や乾燥方法については、【渓流釣り】ウェーダーとウェーディングシューズのメンテナンス方法で詳しく紹介しています。
渓流用ウェーディングシューズおすすめ5選を比較
ここからは、2026年10月時点でメーカー公式情報を確認できる5モデルを比較します。
掲載順はランキングではありません。
フェルトかピンフェルト系か、価格、サイズ、排水構造、ソール交換の仕組みから、自分の使い方に近いものを見てください。
| メーカー | 商品名 | ソール | 重量(公式表記) | サイズ | 排水 | ソール交換 | メーカー公式価格 | 向いている人 | 比較方法 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| モンベル | フェルト ウエイディング シューズ | ポリプロピレンフェルト | 487g 26.0cm・片足 |
23〜29cm | 水抜けのよいメッシュ | 張り替え可 | 18,700円(税込) | 苔・ヌメリのある渓流を中心に使いたい | 実使用 |
| DAIWA | WS-2202C | フェルト | 公式ページ記載なし | 25〜30cm | ウォータースルー | メーカー修理 | 22,100円(税別) | フェルト+耐久性や屈曲性も見たい | 仕様比較 |
| DAIWA | WS-2502C | フェルトスパイク | 公式ページ記載なし | 24〜30cm | ウォータースルー | メーカー修理 | 22,700円(税別) | ピン付きフェルトを比較したい | 仕様比較 |
| SHIMANO | ジオロック ウェーディングシューズPRO FS-240Y | カットフェルト | 参考685g 26cm |
24〜29cm | サイド水抜き穴 | ジオロック | 33,500円(税別) | 交換ソールやBOAまで重視したい | 仕様比較 |
| SHIMANO | ジオロック ウェーディングシューズPRO FS-241Y | カットピンフェルト | 参考695g 26cm |
24〜29cm | サイド水抜き穴 | ジオロック | 34,500円(税別) | ピンフェルト+交換ソールを重視 | 仕様比較 |
※重量・価格・サイズは2026年10月確認時の各メーカー公式情報です。メーカーによって税込・税別表記や重量の測定・記載方法が異なるため、単純比較には注意してください。実売価格・在庫は販売店によって変動します。
モンベル フェルト ウエイディング シューズ|苔・ヌメリを意識したフェルト
苔やヌメリのある渓流を中心に考える人が比較しやすいフェルトモデルです。
アウトソールにはポリプロピレン製フェルトを採用。
アッパーは水抜けのよいメッシュで、ソールも張り替え可能です。
今回紹介する5足の中では、これだけ自分が実際に使っています。
今使っているのはこのモンベルのフェルト ウエイディング シューズです。
自分が行く渓流では苔やヌメリのある岩を歩くことが多いので、フェルトソールを選んでいます。
履きやすいと感じていますし、デザインも気に入っています。
ソールの状態を確認しながら、できれば長く使っていきたいと思っている一足です。
サイズは普段のスニーカーより約0.5cm大きい感覚で選び、ソックスで調整していますが、これはあくまで自分の足での例です。
向いている人:苔やヌメリのある渓流を中心に、シンプルなフェルトモデルを選びたい人。
※現行モデルはAmazon・楽天で確認できなかったため、公式サイトへのリンクです。
DAIWA WS-2202C|フェルトと歩きやすさを両立したい
WS-2202Cは、フェルトソールにCORDURA素材のアッパー、EVAミッドソール、ウォータースルー構造を組み合わせたモデルです。
サイズ調整用インソールも付属します。
ソールは自分で交換するキット方式ではなく、交換時はメーカー修理での対応です。
DAIWA公式ではクロロプレンソックスと組み合わせる際、厚みを考慮したサイズ選びを案内しています。
自分はこの製品を使っていないので、実際の履き心地やグリップ感についてはメーカー仕様以上のことは言いません。
向いている人:フェルトを使いつつ、排水構造やアッパーの耐久性も比較したい人。
※リンク先では表示サイズ・在庫状況を確認してください。
DAIWA WS-2502C|フェルトスパイクを選びたい
WS-2502Cは、WS-2202Cと同系統のシューズで、ソールがフェルトスパイクになったモデルです。
フェルトだけのWS-2202Cと、ピンを加えたWS-2502Cを比較できるので、ソール選びで迷っている人には分かりやすい組み合わせです。
24〜30cmまでのサイズ展開が公式に掲載されており、ウォータースルー構造や調整用インソールも採用しています。
向いている人:フェルトだけでなく、凹凸のある岩場なども含めてピン付きソールを検討したい人。
※リンク先では表示サイズ・在庫状況を確認してください。
SHIMANO ジオロック ウェーディングシューズPRO FS-240Y|交換式カットフェルト
FS-240Yは、カットフェルトを採用したシマノのPROモデルです。
特徴は、ソールを交換できるジオロック。
ソールが摩耗した時だけでなく、対応する別タイプのジオロックソールへ交換できる仕組みです。
BOAフィットシステム、サイドの排水穴、3mm厚クロロプレンソックスを想定したサイズ設計など、シューズ全体の機能も多めです。
メーカー希望本体価格は33,500円(税別)なので、初めての一足としては予算との相談になります。
向いている人:カットフェルトを使いながら、ソール交換のしやすさやフィッティング機構まで重視したい人。
※リンク先では表示サイズ・在庫状況を確認してください。
SHIMANO ジオロック ウェーディングシューズPRO FS-241Y|交換式カットピンフェルト
FS-241Yは、FS-240Yのカットピンフェルト版です。
アッパーやBOA、排水構造、ジオロックといった基本的な構成が近いため、フェルトとピンフェルトの差を比較しやすい2モデルです。
公式参考重量は26cmで695g。カットフェルトのFS-240Yは685gなので、公式表記上では10gの差です。
ただし、この数字だけで歩きやすさや疲労感を決めることはできません。
向いている人:凹凸のある岩場なども考えながら、ピンフェルトと交換式ソールの両方を重視したい人。
※リンク先では表示サイズ・在庫状況を確認してください。
用途別ならフェルトとピンフェルトのどちらを選ぶ?
苔・ヌメリのある岩を歩くことが多い
こうした渓流を中心に考えるなら、まずフェルトを比較してみるのが分かりやすいです。
今回なら、モンベル フェルト ウエイディング シューズ、DAIWA WS-2202C、SHIMANO FS-240Yが候補。
自分もこの理由でフェルトを使っています。
ただし、苔の種類や水流、石の形によって足元は変わるので、ソールだけを頼りにせず一歩ずつ確認して歩くことが前提です。
凹凸のある岩場まで幅広く歩く
フェルトにピンを組み合わせたタイプなら、DAIWA WS-2502CやSHIMANO FS-241Yが候補になります。
「ピンがあるからフェルトより常に上」という関係ではなく、足場の形や接地面によって得意な条件が変わります。
特に一日の中で岩場・土・河原など複数の地面を行き来するなら、自分の釣行スタイル全体で考えたいところです。
ゲータースタイルでも使いたい
夏のゲータースタイルでは、シューズそのものが水に浸かるため、排水性とフィット感も見ておきたいポイントです。
今回紹介したDAIWAのWSシリーズには公式のゲータースタイル着用例があり、SHIMANOやモンベルも排水を考えた構造を採用しています。
ただし、使うソックスの厚みが変わればサイズ感も変わります。
夏用・ウェーダー用の両方で同じ靴を使いたい場合は、試着時に実際のソックス構成を想定しておくと選びやすいです。
どのソールでも「滑らない」わけではない
ウェーディングシューズを選ぶと、どうしても「どれが一番滑らない?」と考えたくなります。
でも渓流の足元には、濡れた岩、苔、砂、落ち葉、丸石、流れの強さなどいろいろな条件があります。
フェルトもピンフェルトも、滑りを完全になくす装備ではありません。
ソールを選んだうえで、
- 足を置く場所を確認する
- いきなり体重を全部乗せない
- 濡れた岩の色や苔を見る
- 無理な一歩を選ばない
- 流れが強い場所へ無理に入らない
といった歩き方もセットで考えます。
同じシューズでも、岩の状態・水量・流れ・摩耗したソールの状態によって足元は変わります。少しでも不安を感じる場所では無理に進まず、釣行そのものを変更する判断も必要です。
渓流での足の置き方や遡行については、【渓流の歩き方】すぐ足がパンパンに…初心者が知るべき「疲れない遡行術」と滑る石の見分け方で詳しくまとめています。
ウェーディングシューズは使用後の手入れも忘れずに
ウェーディングシューズは川の水だけでなく、泥、砂、細かな石、植物などが付着します。
釣行後は汚れを落とし、内部まで乾かします。
特にフェルトは厚みがあるため、表面が乾いていても内部に水分が残っている場合があります。
直射日光や高温で無理に乾燥させるのではなく、メーカーの注意事項に従って風通しのよい場所で乾かすのが基本です。
また、ソールが薄くなっていないか、ピンが極端に摩耗していないかも時々確認します。
迷ったら「いつも行く川の足元」から選ぼう
ウェーディングシューズは、価格や見た目だけでは決めにくい道具です。
まず考えたいのは、自分がいつも歩く場所。
- 苔やヌメリのある渓流が中心 → フェルトを比較
- 凹凸のある岩場まで幅広く歩く → ピンフェルト系も比較
- 長いアプローチも歩く → 川の外の路面も考える
- ゲータースタイルでも使う → 排水性とサイズも確認
- 長く使いたい → ソール交換方法も確認
という順番なら、候補をかなり絞れます。
自分は苔やヌメリの多い渓流へ行くことが多いため、現在はモンベルのフェルトタイプを使っています。
でも、同じ選び方が全員に合うわけではありません。
普段行く川が違えば、合うソールも変わります。
「フェルトとピンフェルトのどちらが上か」ではなく、次の釣行で自分がどんな足場を歩くのかから考えてみると、選びやすくなると思います。
ウェーディングシューズって、最初は「ピンが付いてる方が強そう」くらいに見えやすいんですよね(笑)。でも実際は、普段どんな川へ行くかで選び方が変わります。
自分は苔やヌメリのある岩を歩くことが多いので今はフェルトを使っています。履きやすさもデザインも気に入っているので、手入れしながら長く使いたいと思っています。
まずは値段より、自分の川の足元を思い出してみる。ウェーディングシューズはそこから選ぶのが一番分かりやすいと思います。



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