ユウ
遊山メンバー
新緑の中を歩いて、冷たい川へ入り、ヤマメやイワナを探して釣り上がる。
春から夏の渓流は本当に気持ちいいです。
ただ、この時期から存在感を増してくるのがアブ・ブヨ・ハチ・マダニなどの虫です。
特にアブやブヨが顔の周りを飛び始めると、
「もう魚どころじゃないんだけど……」
となることがあります(笑)。
虫対策というと、強そうなスプレーや防虫グッズを探したくなります。
でも、まず押さえたいのはもっとシンプルです。
渓流の虫対策はこの4つ
- 肌の露出を減らす
- 対象となる虫が表示された虫よけを使う
- 首・手首・足首などの隙間を作りすぎない
- 釣行後に服と身体を確認する
これを基本にして、オニヤンマ型アクセサリーや携帯線香などは必要に応じて追加する。
この順番で考えると分かりやすいです。
服の色は「黒=全部の虫が寄る」と考えない
渓流の虫対策でよく聞くのが、
「黒い服は虫が寄ってくるからダメ」
という話です。
ここは少し整理しておきたいところ。
黒や暗い色を避けることは、特にスズメバチやアシナガバチへの対策として自治体などでも案内されています。
その一方で、
「黒い服を着ればアブもブヨもマダニも全部寄ってくる」
と、すべての虫を一緒に考えるのは避けます。
マダニ対策では、明るい服の方が服に付いたマダニを目で見つけやすいというメリットもあります。
なので山へ行く服を選ぶなら、
- ライトグレー
- ベージュ
- 薄めのカーキ
- 白に近い明るい色
などを選ぶのは使いやすいと思います。
僕自身、渓流では派手すぎない色が好きなので、ライトグレーや薄いカーキくらいが取り入れやすいです。
ただ、服の色だけで虫対策が終わるわけではありません。
色より優先したいのは、肌を露出しすぎないことです。
夏でも「長袖・長ズボン」が基本
虫対策で一番分かりやすく効果を期待できるのが、物理的に肌を覆うことです。
マダニ対策でも、長袖・長ズボン、足を覆う靴、帽子や手袋などで肌の露出を減らすことが勧められています。
特に気をつけたいのが、
首・手首・足首。
全部を厚手の服で固める必要はありませんが、露出している部分が増えるほど虫に触れられる場所も増えます。
| 部位 | 使いやすい装備例 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| 頭・首 | 帽子+ネックゲイター | 耳の後ろや首元の露出を減らしやすい |
| 上半身 | 速乾性のある長袖 | 真夏は厚着しすぎず、通気性も考える |
| 手 | フィッシンググローブ | 手の甲を覆えるタイプなら露出を減らせる |
| 足元 | ロングタイツ+長めの靴下 | ズボンやタイツと靴の間に隙間を作りすぎない |
僕は昔、短い靴下で川へ行って、ズボンとの間に少しだけ足首が出ていたことがあります。
そこをブヨに何か所もやられて、翌日かなり腫れてしまいました。
ほんの数センチだったんですけどね(笑)。
それ以来、足首の隙間はかなり気にするようになりました。
なお、真夏に肌を覆いすぎて身体に熱がこもるのも良くありません。
速乾性や通気性のある服を使い、暑さが厳しい日は休憩や水分補給も合わせて考えます。
虫よけは「強そうなもの」より対象害虫を見る
次に虫よけです。
ここで僕が一番大事だと思うのは、
パッケージの「効能・効果」「対象害虫」を見ること。
です。
虫よけ剤には、ディートやイカリジンを有効成分とする製品があります。
ただし、同じ成分でも製品によって、
- 濃度
- 対象となる虫
- 使用できる場所
- 使用回数
- 年齢による注意
などが異なります。
なので、
「DEETならアブもブヨも全部OK」
と成分名だけで判断するのではなく、自分が避けたい虫が製品表示に書かれているかを確認します。
高濃度=強さではなく、持続時間が長くなる傾向
ディートやイカリジンでは、有効成分の濃度が高い製品ほど効力が長く続く傾向があります。
ただし、
「30%なら必ず6時間」
というように、記事側で固定時間を決める必要はありません。
汗を大量にかいたり、濡れたりする状況もあります。
使用量や塗り直しのタイミングは、その製品の表示に従う。
これが一番確実です。
また、ディート製品には年齢によって使用制限があるものがあります。
子どもへ使う場合は、特に濃度だけを見て選ばず、年齢・使用回数などの注意事項まで確認してください。
ハッカ油はメインの虫よけにしない
渓流釣りでは、ハッカ油を虫対策として使っている人もいます。
スーッとした香りがするので、夏の山では気持ちいいんですよね。
僕も香りが好きで使うことはあります。
ただ、
「ハッカ油を吹いておけばアブもブヨもマダニも大丈夫」
とは考えません。
虫刺されを避けることを目的にするなら、効能・効果が確認できる虫よけ製品を中心に使います。
また、ハッカ油を自分で水やアルコールと混ぜたスプレーは、濃度や肌への刺激、どの虫にどれだけ効くのかを判断しにくくなります。
使うなら市販品の表示や注意事項を確認し、目や口の周りなどへの使用にも注意します。
オニヤンマ型アクセサリーは「お守り」くらいで考える
帽子やベストに付けている人をよく見かけるのが、オニヤンマ型の虫よけアクセサリーです。
見た目も山っぽくて、ちょっと付けたくなるんですよね(笑)。
ただ、模型を付けるだけでアブやハチを安定して遠ざけられる、とまで考える根拠は十分とは言えません。
なので僕なら、
付けるのはあり。でも「これを付けたから虫よけはいらない」とは考えない。
という位置づけにします。
森林香などの携帯線香は「煙のバリア」と思わない
もうひとつアウトドアで使われるのが、携帯できる蚊取り線香や森林香などです。
ここも、
「大量の煙で自分の周りに防虫バリアができる」
と考えるより、製品に記載された対象害虫・使い方の範囲で使う補助アイテムとして扱います。
そして忘れたくないのが、火を使うこと。
森林では、乾燥や強風などの条件によって火災リスクが高まります。
林野火災注意報・警報が出ている場合や、施設・土地のルールで火気が認められていない場所では使いません。
枯れ草の近くで使ったり、火が付いた状態で放置したりするのも避けます。
虫を避けるために山火事を起こしたら洒落にならないので(笑)、火気のルールを優先です。
刺されたら、まずその虫から離れて状態を見る
どれだけ準備しても、刺されたり噛まれたりすることはあります。
そんなときは、まず釣りを止めます。
ハチが近くにいるなら、手で激しく払ったり巣へ近づいたりせず、その場から静かに離れます。
安全な場所へ移動したら、傷口や身体の状態を確認します。
アブ・ブヨなどにやられた場合
まず患部を清潔な水で洗います。
腫れや痛みがある場合は、冷やすと症状が少し楽になることがあります。
そして、かゆくても掻き壊さないようにします。
虫刺され用の市販薬を使う場合は、対象となる症状や使い方を製品表示で確認してください。
腫れが強い、痛みが続く、症状が広がっていくなど気になる変化がある場合は、無理に釣りを続けず医療機関へ相談します。
ハチに刺された場合
ハチの場合は、より慎重に身体の変化を見ます。
針が皮膚に残っている場合は、針を押し込まないよう注意しながら取り除き、傷口を水で洗って冷やします。
そして、
- 呼吸が苦しい
- 意識がおかしい、反応が鈍い
- 急に立っていられないほどふらつく
- 全身に急激な症状が出ている
など、明らかに様子がおかしい場合は119番への通報を含め、速やかに救急対応します。
過去に医師からアドレナリン自己注射薬を処方されている人は、その指示に従います。
ポイズンリムーバーは「これがあれば安心」とは考えない
渓流用の救急ポーチに入っていることが多いのがポイズンリムーバーです。
自治体のハチ対策などでは、応急処置の補助としてポイズンリムーバーを案内している例もあります。
ただ、この記事では、
「これを使えば毒が抜ける」「使えば腫れを大きく抑えられる」
とは言い切りません。
持っていれば使える場面はありますが、それだけで安心せず、
- 安全な場所へ移動する
- 患部を洗う
- 冷やす
- 全身の症状を確認する
- 必要なら医療機関や119へつなぐ
という流れを優先します。
傷口へ口を付けて吸い出す方法は避けてください。
マダニは「虫刺され」と同じ扱いにしない
アブやブヨとは別に、渓流で覚えておきたいのがマダニです。
マダニは皮膚へしっかり吸着していることがあり、刺されていても気づかない場合があります。
吸着しているマダニを見つけても、
指でつまんで無理に引き抜かないでください。
医療機関、特に皮膚科などで適切に処置してもらうことが勧められています。
また、マダニに刺されたあと数週間は体調を見て、発熱などの症状が出た場合は受診し、山へ行ったことやマダニに刺された可能性を医師へ伝えます。
マダニとヤマビルについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
川から上がった後も、虫対策は終わりじゃない
釣りが終わったら、車へ戻ってそのまま着替えて終了。
……ではなく、数分だけ服を確認します。
特に草むらや藪を通った日は、
- ズボン
- 靴やゲーター
- 袖や首元
- 帽子
- ザックやベスト
などに虫が付いていないか見ます。
マダニ対策としては、帰宅後に入浴やシャワーをして身体を確認することも勧められています。
首、耳の周り、わきの下、手首、足の付け根、膝の裏などは見落としやすい場所です。
渓流の虫対策は「一発で効く最強ギア」を探さない
虫対策って調べ始めると、
「これさえ持てば大丈夫!」
という道具が欲しくなります。
僕も欲しいです(笑)。
でも実際には、
長袖・長ズボンで露出を減らす。
虫よけを表示どおり使う。
首や足首の隙間を意識する。
帰宅後に身体を見る。
こういう地味な対策を重ねる方が大事です。
オニヤンマ型アクセサリーも、ハッカ系アイテムも、携帯線香も、使いたければ使えばいい。
ただ、それらを主役にしない。
これが今の僕の考えです。
虫を完全にゼロにはできません。
それでも、
「今日は長袖」
「虫よけも入れた」
「足首も出てない」
と確認してから山へ入るだけで、気持ちはかなり違います。
僕は虫が苦手だからこそ、このへんはちゃんと準備してから川へ行きたいです。
ユウ
この記事で確認した情報
虫を避ける服装、虫よけ剤、マダニ対策、ハチに刺された場合の対応などについては、以下の公的情報を確認しています。
- 国立健康危機管理研究機構|マダニ対策、今できること
- 厚生労働省|ダニ・蚊の襲来に備えよ
- 横浜市|野外活動時には虫に注意!
- 日本赤十字社|動物にかまれた・蜂に刺された
- 厚生労働省|こんな時は迷わず119へ
- 林野庁|山火事予防に当たって注意することは?
※虫よけ剤は製品によって対象害虫・濃度・年齢制限・使用方法などが異なります。必ず製品表示を確認してください。虫刺され後に呼吸困難、意識障害など緊急性の高い症状がある場合は119番へ。吸着中のマダニは無理に引き抜かず、医療機関へ相談してください。

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