遊山メンバー
ユウ
やっと迎えた休日。
朝起きてカーテンを開けたら晴れている。
でも、昨日はかなり雨が降っていた。
こういう日は本当に迷います。
「もう水は引いたかな?」
「せっかくの休日だし行きたいな……」
僕も以前は、空が晴れているのを見て「たぶん大丈夫だろう」と判断し、そのまま川へ向かったことがありました。
ところが現地へ着いてみると、普段とはまるで違う増水した流れ。
そこでようやく、自分がいる場所の天気と、川の状態は同じではないと実感しました。
今はスマホから水位・雨量・上流の状況などを確認できるので、出発前に使わない手はありません。
この記事では、FISHPASS(フィッシュパス)と国土交通省の「川の防災情報」を使って、雨の後の水位を確認する方法と、数字を見るときの注意点を初心者向けにまとめます。
最初にひとつだけ大切なこと。
アプリや水位グラフだけで、「今日は安全に入渓できる」と判定することはできません。
水位データはとても便利ですが、雨量・上流の状況・ダム放流・現地の状態などと合わせて使うための判断材料です。
- 晴れていても油断できない。上流の雨で川は増水する
- 僕も「晴れたから大丈夫」で現地へ行って失敗した
- 水位チェックに便利なFISHPASS
- FISHPASSで水位を見る手順
- 水位は「何cmなら安全」ではなく、同じ観測所の変化を見る
- 水位が下がってきた=入渓OK、でもない
- FISHPASSだけではなく「川の防災情報」も見る
- 水位と一緒に「上流でまだ雨が降っていないか」を見る
- ダムがある川は「放流情報」も忘れない
- 僕なら、この状態なら入渓しない
- 現地に着いたら、スマホの数字より川を見る
- 「せっかく来たから」が一番判断を鈍らせる
- 雨後の釣りそのものは別記事で、水位確認はこの記事で
- 水位アプリは「安全判定機」ではなく、行くか迷ったときの判断材料
- この記事で確認した情報
晴れていても油断できない。上流の雨で川は増水する
雨が止んで青空が見えていると、「もう大丈夫そう」と思いたくなります。
でも川は、その場所に降った雨だけでできているわけではありません。
国土交通省も、自分がいる場所で雨が降っていなくても、上流の大雨によって河川が急に増水することがあると注意を呼びかけています。
気象庁の「流域雨量指数」も、上流域へ降った雨が地表や地中を通り、時間をかけて河川へ流れ込むことを考慮して洪水リスクを評価しています。
つまり、
「今は晴れている」=「川の水も落ち着いている」ではありません。
特に前日までまとまった雨が降っていた日や、上流側に雨雲が残っている日は慎重に判断したいところです。
僕も「晴れたから大丈夫」で現地へ行って失敗した
渓流釣りを始めたばかりの頃、前日の夜まで強い雨が降っていたことがありました。
でも翌朝は綺麗に晴れていたので、
「これなら行けるだろう」
と、そのまま山へ向かったんです。
ところが川へ近づくと、普段とは明らかに違う音。
いつもなら穏やかに流れている場所が、茶色く濁った強い流れに変わっていました。
当然、その日は入渓せず帰りました。
せっかく早起きして来たので、かなり未練はありましたが(笑)。
この経験以降、雨の後は「行ってから考える」のではなく、家を出る前に水位と雨量を確認するようにしています。
水位チェックに便利なFISHPASS
渓流へ行く前に使いやすいのが、FISHPASS(フィッシュパス)の水位情報です。
FISHPASSは遊漁券の購入・提示などができるサービスですが、公式サイト・アプリでは対象エリアのリアルタイム水位情報も確認できます。
FISHPASSの水位ページでは、国土交通省「川の防災情報」を出典とした水位データがグラフ化されています。
数字だけが並んでいるより変化を追いやすいので、雨後の状況を見るときには便利です。
FISHPASSで水位を見る手順
FISHPASSでは、水位情報へアクセスして目的地周辺の観測所を探せます。
画面構成はアップデートによって変わる可能性がありますが、基本的には「水位」から対象河川・観測所を探していきます。
Step 1:メニューを開く
アプリを開き、メニューを表示します。
Step 2:「水位」を選ぶ
メニューから「水位」を選択します。
Step 3:目的地に近い観測所を探す
行く予定の川や、その周辺の水位観測所を探します。
ここで大切なのが、観測所=自分が入渓するポイントそのものではないということです。
本流の観測所しかなく、実際に釣る場所はその支流だったり、観測所からかなり上流だったりすることもあります。
なるべく同じ水系・近い場所を選びますが、数字がそのまま釣り場の水深を表しているわけではありません。
Step 4:グラフで「今の数字」より変化を見る
FISHPASSのグラフに表示される横破線は、公式説明では「直近1か月の異常数値を除いた平均値」です。
ここは勘違いしやすいところ。
この線は「ここまでなら安全」という意味ではありません。
また、一般的な意味での「その川の平水」を永久に示しているわけでもありません。
直近1か月の水位と比べて現在がどのあたりにあるのかを見る、ひとつの参考値として使います。
水位は「何cmなら安全」ではなく、同じ観測所の変化を見る
雨後の水位を調べると、一番知りたくなるのがこれだと思います。
「普段より何cm高かったらアウトなの?」
でも、渓流全体に使える「+○cmまでなら安全」という基準は作れません。
河川によって川幅・勾配・河床・流量が違いますし、水位観測所にはそれぞれ観測の基準面があります。
同じ「水位1.0m」でも、別の観測所の1.0mと同じ状態という意味ではありません。
だから僕が見るのは、絶対値よりも同じ観測所での時間変化です。
- 雨の前はどのくらいだったか
- 雨でどこまで上がったか
- 今も上昇を続けていないか
- ピークを越えて下降しているか
- 直近の普段に近い状態まで戻っているか
特に、水位がまだ上昇中なら無理に入渓する状況ではありません。
国土交通省も、水位が急激に上昇しているときは特に注意するよう案内しています。
水位が下がってきた=入渓OK、でもない
グラフが右肩下がりになっていると、少し安心したくなります。
でも「ピークを越えた」ことと「釣りができる状態に戻った」ことは別です。
水位がまだ普段より高い場合もありますし、支流では本流とは違う動きをしていることもあります。
河岸が濡れて滑りやすかったり、流木が増えていたり、退渓ルートが使えなくなっている可能性もあります。
なので、グラフが下降していることは良い材料のひとつではありますが、それだけで入渓判断はしません。
FISHPASSだけではなく「川の防災情報」も見る
僕はFISHPASSを入口として使いやすいと思っていますが、安全確認では国土交通省の「川の防災情報」も確認しておきたいところです。
川の防災情報では、
- 水位観測所
- 雨量観測所
- レーダ雨量
- ダムの情報・放流通知
- 河川カメラ
- 洪水予報などの発表情報
などを確認できます。
▶︎ 国土交通省|川の防災情報
FISHPASSで水位が表示されない河川や、情報提供が一時的に止まっている観測地点もあります。
そんなときに「データがない=問題なし」と考えず、川の防災情報や自治体、ダム管理者などの公式情報を確認します。
水位と一緒に「上流でまだ雨が降っていないか」を見る
雨後の渓流で、水位と同じくらい大切なのが上流の雨です。
自分がいる場所では青空でも、山の奥では雨が降っていることがあります。
国土交通省は、上流の大雨によって、その場所では雨が少なくても急激に水位が上がる場合があると注意喚起しています。
気象庁の洪水キキクルや雨雲の動きも合わせて確認しておきましょう。
「昨日の雨」だけではなく、
- これまでどのくらい雨が降ったか
- 上流側に雨雲が残っていないか
- これから再び雨が降る予報ではないか
まで確認しておくと、水位グラフだけを見るより状況をつかみやすくなります。
ダムがある川は「放流情報」も忘れない
上流にダムがある河川では、天気とは別に放流によって水位が変わることがあります。
川の防災情報ではダム諸量や放流に関する情報も確認できます。
現地に警報表示やサイレンがある場合も、必ず従ってください。
「晴れてるのに水が増えてきたな?」という状況なら、上流の雨だけでなくダム放流の可能性も考えます。
僕なら、この状態なら入渓しない
水位に万能な「○cmルール」は作れませんが、逆に釣りを中止する方向へ判断しやすいサインはあります。
こんな日は無理に入らない
- 水位グラフがまだ明確に上昇している
- 上流側に強い雨が降っている・これから降る予報がある
- 洪水に関する警報・注意情報や自治体からの注意喚起が出ている
- ダムの放流による水位上昇が予想される
- 観測データがなく、前日の大雨後の状態を判断できない
- 現地で普段より明らかに流れが強い・水位が高い
- 水の濁りや流木が目立ち、上流の状況に不安がある
- 安全な入渓・退渓ルートを確保できない
全部揃わなければ中止、という意味ではありません。
ひとつでも「これは嫌だな」と思う大きな材料があるなら、わざわざ安全側から危険側へ理由を探しにいかない。
僕はそれくらいで考えています。
現地に着いたら、スマホの数字より川を見る
出発前にデータを確認しても、現地での確認は必要です。
国土交通省も、河川の水が濁る、上流からゴミが流れてくる、水位が徐々に増しているといった変化を危険のサインとして紹介しています。
川へ着いたら、
- いつも見えている石や河原が水没していないか
- 流れが普段より明らかに強くないか
- 濁りや流木・枝が増えていないか
- 水位がその場でも上がっていないか
- 帰りに同じ場所を安全に通れそうか
などを確認します。
ここで大切なのは、「直感を信じれば安全」という意味ではないことです。
むしろ、データと現場の両方を見たうえで少しでも不安が残るなら、入らない。
その判断の方が大切です。
「せっかく来たから」が一番判断を鈍らせる
雨の後の釣行で厄介なのが、現地まで来てしまったあとの気持ちです。
早起きした。
電車や車で何時間もかけた。
ルアーも準備した。
ここまで来ると、どうしても「ちょっとだけなら……」と思いたくなります。
僕も増水した川を目の前に、しばらく未練たらしく眺めていたことがあります(笑)。
でも水位データを確認する一番のメリットは、「釣りへ行く理由を作ること」ではなく、「今日はやめておこうと家で決められること」だと思っています。
現地へ行く前なら、予定変更もしやすいですからね。
雨後の釣りそのものは別記事で、水位確認はこの記事で
水が落ち着いてきたあと、「いつ頃から釣りを再開するか」「笹濁りをどう考えるか」といった雨後の釣りについては別の記事で詳しくまとめています。
この記事ではあくまで、水位データをどう確認するかに絞っています。
▶ 雨のあとの渓流はいつから入れる?雨後の状況を見るポイント
雨そのものや雨雲レーダー、鉄砲水への事前対策はこちら。
水位アプリは「安全判定機」ではなく、行くか迷ったときの判断材料
FISHPASSの水位グラフは、雨の後に川の状態を考えるうえでかなり便利です。
僕も「今どうなっているんだろう?」と思ったときに、まずスマホで確認する習慣がつきました。
ただし、覚えておきたいのはこの5つです。
- 水位は絶対値より同じ観測所での変化を見る
- 直近1か月の平均線は「安全ライン」ではない
- 「+○cmなら安全」という全国共通基準は作れない
- 水位だけでなく上流の雨・ダム放流・公式情報も確認する
- 現地で違和感があれば入らない
スマホで情報を確認できるようになったからこそ、「今日はやめておこう」という判断もしやすくなりました。
釣りへ行けなかった日は残念です。
でも川はまた落ち着きます。
無理して1日を取りにいくより、安全な日に気持ちよくロッドを振る。
その方が、長く渓流釣りを楽しめると思っています。
増水した川を見て引き返した日は、「せっかくここまで来たのになぁ」とかなり悔しかったです(笑)。でも今振り返ると、あの日ちゃんと帰ったから次の釣行があるんですよね。水位データは「行ける理由」を探すためじゃなく、「今日はやめよう」を早めに決めるためにも使える。そう考えるようになってから、雨の翌日に無理をすることはかなり減りました。
この記事で確認した情報
水位・雨量・増水時の注意点とFISHPASSの機能については、以下の公式情報を確認しています。
※観測所の水位は、その観測地点における値です。実際の入渓地点の水深・流速・安全性を保証するものではありません。雨量、水位の推移、上流の状況、ダム放流、現地の流れなどを合わせて確認し、不安がある場合は入渓を見送ってください。

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