遊山メンバー
ユウ
朝の冷たい空気を吸い込み、目の前にはいかにも大物が潜んでいそうな最高の落ち込み。
「よし、絶対釣れる!」と意気込んでルアーをキャストした瞬間……リールのスプールからライン(糸)が「ボワッ!」と飛び出し、気づいたときには鳥の巣のようにグチャグチャに絡まってしまう。
渓流ルアーフィッシングにおいて、これほどテンションが一瞬で底に落ちる瞬間はありませんよね。
ルアーの動かし方やポイント選びは教わる機会が多いですが、いざという時の「ライントラブルの直し方」って、意外と誰も教えてくれません。
過去にラインの選び方やPEラインの巻き方の記事を読んで綺麗に準備してきたとしても、現場では必ずと言っていいほどトラブルが起こります。
この記事では、現場でラインが絡まってしまった時の応急処置や、ルアーが回転して起こる「糸ヨレ」の簡単なリセット法、そしてトラブルを未然に防ぐキャストのコツについて、私の数々の失敗談も交えながらお話ししていきます。
最高のポイントで起きた「バックラッシュ」の絶望感
リールからラインが塊で飛び出してしまう現象を、釣り人の間では「バックラッシュ」と呼びます。
私も初心者の頃、これに本当に泣かされました。
焦って頭上の木の枝にルアーを引っ掛けてしまい、なんとかルアーを救出しようとロッドをあおって格闘した挙句、結局ラインが切れてお気に入りのルアーはロスト。さらに、その反動でリール側のラインまでグチャグチャに絡まり、川のど真ん中の岩の上に座り込んで、FGノットを10分以上かけて組み直した苦い思い出があります。
トラブルが起きた時、一番の敵は「焦り」です。「せっかくのチャンスタイムなのに!早く直して投げなきゃ!」という気持ちが、さらに事態を悪化させてしまうのです。
焦って引っ張るのはNG!現場で絡まりをほどく3つの手順
ラインが鳥の巣のように絡まってしまった時、絶対にやってはいけないことがあります。それは「絡まっている部分を力任せに引っ張ること」です。
特に細いPEラインなどでこれをやると、結び目がガチガチに固まってしまい、二度とほどけなくなってハサミで切るしかなくなります。
もし絡まってしまったら、以下の手順で冷静に対処してみてください。もし難しければラインを切ってしまった方が早い場合があるので、その時は切ってしまいましょう!
- ベールを起こす: まずはリールのベール(糸を引っ掛ける金具)を起こして、ラインが自由に引き出せる状態にします。
- 優しく引き出す: 絡まっているダマの部分を指で軽くつまみながら、本線(ルアー側の糸)をテンション(張り)を掛けずにスーッと優しく引き出していきます。
- 結び目をほぐす: もし途中で引っかかったら、絶対に無理に引かず、絡まっている輪っかの部分を指先で優しく広げるようにしてほぐします。
たまに絡まりは、力さえ入れなければスルスルとほどけて元に戻ることがあります。ほどけた後は、ラインを指で軽くつまんでテンションを掛けながら、リールに綺麗に巻き直せば復旧完了です。
スピナーの使いすぎ?「糸ヨレ」が起きた時の簡単リセット法
絡まりだけでなく、初心者を悩ませるのが「糸ヨレ」です。
特に、スピナーのような回転するルアーを多用していると、ライン自体がねじれてチリチリになってしまい、キャストの飛距離が落ちたり、ロッドの先端に絡みやすくなったりします。
これを現場でサクッと直す簡単な方法があります。
それは、「流れの緩やかな安全な場所に向かって、できる限り遠くにルアーをキャストし、テンションを掛けながら丁寧に巻き取ること」です。
ヨレているラインを一度すべてスプールから出し切り、水の抵抗を利用してピンと張った状態で巻き取ることで、ヨレがスッと解消されます。
もしルアーを付けて巻き取るだけでも直らない重度の糸ヨレの場合は、ルアーを外してラインだけを川の流れに乗せて流し、テンションを掛けながらゆっくり巻き取ってみてください。これだけで良くなる場合があります。
なぜ絡まるの?初心者が無意識にやっているフェザリング不足
そもそも、なぜライントラブルは起きてしまうのでしょうか。
その最大の原因は、キャストした時に「ラインがたるんだままリールを巻き始めてしまうこと」にあります。
これを防ぐためのテクニックが「フェザリング」です。
ルアーを投げて、水面に着水する直前。
スプール(糸が巻いてある部分)のふちに人差し指を軽く当てて、パラパラと出ていくラインにブレーキをかけます。
これを行うことで、空中でたるんでいたラインがピンと張り、ルアーが綺麗な姿勢で着水します。そして、ラインが張った状態から巻き始められるので、リールの中で糸がフワフワに巻かれるのを防ぐことができるのです。
最初のうちは指を当てるタイミングが難しいかもしれませんが、これを意識するだけでライントラブルは格段に減りますよ。
予備のリールを車に積んでおく安心感
ここまで対処法をお話ししてきましたが、時にはスプールの奥深くまでラインが入り込んで絡まってしまい、リールを少し解体しなければ直せないようなトラブルが起きることもあります。
現場の川の中でリールのネジを回すのは、小さな部品を落とすリスクが高すぎるので絶対におすすめしません。
そんな重症なトラブルへの備えとして、私は余裕があれば「もう一つの予備リールを車に積んでおくこと」をおすすめします。
もちろん、渓流の奥深くまで入ってから車に戻るのは非常に面倒ですし、かなりのタイムロスになります。
だからこそ、「極力現場で冷静に対処して直す」のが基本です。しかし、「最悪、どうしてもダメなら車に戻ればリールごと交換できる」というバックアップがあるだけで、トラブルが起きた時の精神的な余裕(焦らなさ)が全く違います。
焦りが減れば、絡まったラインも不思議とスッとほどけたりするものです。
まとめ:トラブルも経験のうち。焦らず自然を楽しもう
渓流ルアーフィッシングにおける、ライントラブルの現場復旧についてお話ししました。
どれだけ上手なアングラーでも、風が強かったり、ミスキャストをした時にはライントラブルを起こします。
「やっちゃった……」とイライラするのではなく、乾いた岩の上に座って深呼吸し、鳥の声を聴きながらゆっくりと糸をほどく時間も、また渓流遊びの一部です。
トラブルを一つ乗り越えるたびに、あなたの技術は確実に上達しています。今度の釣行でラインが絡まってしまっても、この記事を思い出して、焦らず優しくほどいてあげてくださいね!
前にどうしても行きたかった源流で、最初の段階でバックラッシュを起こしたことがあります。「なんで今なんだ!」と焦って引っ張ったら見事に結び目が固まり、泣きながら数十メートルのPEラインを切り捨てました(笑)。それ以来、どんなに釣れそうなポイントでも、ルアーが着水する直前の「フェザリング」だけは無意識に指が動くようになりました。失敗は痛いですが、一番確実に体が技術を覚えてくれるチャンスでもありますね!
現場での直し方が分かったら、次は「そもそもトラブルを起こさないための準備」をおさらいしておきましょう!

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