遊山メンバー
ユウ
朝5時、ウェーダーを履いて川へ入る。
最初の2〜3時間は軽快に釣り上がっていたのに、昼を過ぎる頃には太ももが重い。
大きな岩を越えるたびに「よいしょ」と声が出て、帰り道のことまで少し心配になってくる。
渓流釣りをしていると、こんな日があります。
特に普段はデスクワーク中心で、週末だけ一気に山や川を歩く生活だと、渓流の運動量とのギャップを感じやすいですよね。
ただ、「30代になったから体力が必ず落ちる」という単純な話でもありません。
年齢だけではなく、普段どれくらい歩いているか、運動習慣があるか、その日の体調や睡眠などによっても変わります。
だからこの記事では「若い頃の身体を取り戻す!」みたいな話ではなく、週末の渓流をもう少し余裕を持って楽しむために、平日に何をしておくといいかを考えていきます。
まず結論|週2回の筋トレ+普段の歩く時間を増やすところから
「で、結局どのくらいやればいいの?」
一番知りたいのはここだと思います。
運動習慣がほとんどない週末アングラーなら、いきなり毎日トレーニングする必要はありません。
まずは、こんな1週間を目安にすると始めやすいです。
平日に始めるなら、このくらいから
- 筋トレ:週2回、1回15〜20分程度
- ウォーキング:20〜30分を週2〜3回、または通勤・昼休みで歩く時間を増やす
- 階段:無理のない範囲で日常的に使う
- 釣行前日:追い込む筋トレは避け、脚を疲れさせすぎない
これは「この量をやれば渓流で疲れなくなる」という保証ではなく、運動をあまりしていない人が始めやすい実用的なスタートラインです。
身体活動全体の目安としては、成人は歩行などを含めて1日60分以上身体を動かし、筋トレを週2〜3日行うことが推奨されています。
ここでいう60分は、ジムで毎日1時間運動しろという意味ではありません。
通勤で歩く、買い物へ行く、階段を使うといった日常の活動も含まれます。
なので、まずは「平日に全然動かない日を減らす」くらいからで大丈夫です。
渓流釣りは、普通の道を歩くより身体を使う
渓流釣りで疲れる理由は、単純に歩く距離だけではありません。
川の中では、
- 水の抵抗を受けながら歩く
- 大きさや角度の違う石へ足を置く
- 岩や段差を越える
- 片脚で身体を支える
- 入渓・退渓で斜面を上り下りする
といった動作が何度も続きます。
だから、渓流のために身体を作るなら、ボディビルのように大きな筋肉を目指す必要はありません。
脚を使う運動、身体を支える運動、長く動くための有酸素運動。
この3つを少しずつ入れる方が分かりやすいです。
もちろん、体力があれば危険な川を歩けるという意味ではありません。
増水した川や無理な渡渉は、筋力とは別の問題です。
歩き方や撤退判断については、こちらで詳しくまとめています。
自宅でやるなら、この3つから始めやすい
僕が釣りのための体力づくりを考えるなら、最初からメニューを10種類も入れません。
仕事が終わってから毎回1時間となると、それだけで面倒になってきます(笑)。
まずは脚・体幹・スタミナの3方向から、シンプルに始めるのがおすすめです。
1. 脚を作る|ブルガリアンスクワット
後ろ足を椅子やソファなどへ乗せ、前側の脚を中心に身体を上下させるトレーニングです。
渓流では、大きな岩へ片脚を乗せて身体を持ち上げたり、片脚でバランスを取ったりする場面があります。
ブルガリアンスクワットが「渓流釣り専用の最強トレーニング」と証明されているわけではありませんが、太ももやお尻を使いながら片脚で身体を支える練習として取り入れやすい種目です。
初心者の目安
- 回数:左右8〜10回
- セット:1〜2セットから
- 頻度:週2回程度
最初から10回×3セットを無理にやる必要はありません。
翌日まともに階段を降りられないほど追い込むと、日常生活の方が大変になります(笑)。
まず1セットやってみて、フォームを崩さず余裕があるなら2セットへ。
慣れてきたら10〜12回へ増やしたり、セット数を増やしたりして調整します。
膝や股関節などに強い痛みが出る場合は、そのまま続けないでください。
2. 身体を支える|プランク
渓流では、石の上や流れの中で姿勢を保ちながら動く場面が多くあります。
そこで自宅で取り入れやすいのがプランクです。
肘とつま先などで身体を支え、腰が大きく落ちたり反ったりしない姿勢を保ちます。
初心者の目安
- 時間:20〜30秒
- セット:2セット
- 頻度:週2回程度
60秒を根性で耐えることより、20秒でも姿勢を保てる方を優先します。
30秒×2セットが楽になってきたら、少しずつ時間を伸ばせば十分です。
プランクをやったから川で滑らなくなるわけではありません。
実際の渓流ではシューズ、足場、流速、歩き方の方が安全に大きく関わります。
ここではあくまで、身体を支える基礎トレーニングのひとつとして取り入れます。
3. 長く動く土台を作る|ウォーキングと階段
脚の筋トレだけではなく、長時間動くための土台も作っておきたいところです。
とはいえ、いきなり5kmランニングを始める必要はありません。
運動習慣が少ないなら、まずは20〜30分の少し速めのウォーキングからでも十分始められます。
時間を作りにくい日は、
- 昼休みに10〜15分歩く
- ひと駅手前で降りて歩く
- エスカレーターの代わりに階段を使う
- 近い場所なら歩いて買い物へ行く
といった方法でも身体を動かす時間は増やせます。
「トレーニングの時間を作らないとゼロ」という考え方にしない方が続きます。
週2回なら、こんなメニューで十分始められる
3種目を紹介されても、「どう組み合わせるんだ?」となりますよね。
なので、運動習慣があまりない人なら、まずはこんな感じでOKです。
火曜日
- 軽いウォームアップ 5分
- ブルガリアンスクワット 左右8〜10回×2セット
- プランク 20〜30秒×2セット
木曜日
- 軽いウォームアップ 5分
- ブルガリアンスクワット 左右8〜10回×2セット
- プランク 20〜30秒×2セット
それ以外の日
- 通勤や昼休みにできるだけ歩く
- 余裕がある日に20〜30分ウォーキング
- 座りっぱなしが長くなったら、ときどき立って身体を動かす
これなら1回の筋トレは15〜20分程度で終わります。
「釣りのために毎日1時間ジムへ行く」よりは、かなり現実的じゃないでしょうか。
慣れてきて物足りなくなったら、回数・セット数・ウォーキング時間などを少しずつ増やします。
一気に増やすより、翌週も続けられるくらいで止める。
週末アングラーには、そのくらいがちょうどいいと思います。
国の目安は「1日60分動く・筋トレ週2〜3日」
もう少し長期的な目標も知っておきたい人向けに、目安を紹介します。
成人の身体活動では、
- 歩行など、それと同等以上の身体活動を1日60分以上
- 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
- 筋力トレーニングを週2〜3日
- 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにする
ことがひとつの目安になっています。
歩数でいえば、1日60分の身体活動は約8,000歩に相当する目安です。
ただ、今2,000〜3,000歩しか歩いていない人が、明日から毎日8,000歩+筋トレ3日をやる必要はありません。
今より少し増やすことにも意味があります。
普段4,000歩ならまず5,000歩。
筋トレゼロなら、まず週1〜2回。
そこから身体が慣れてきたら少しずつ伸ばす方が続けやすいです。
釣行直前に脚を追い込まない
これは週末アングラーなら結構大事です。
土曜日に朝から渓流へ行くのに、金曜の夜にブルガリアンスクワットを限界までやる。
翌朝、駅の階段ですでに脚が重い。
これでは何のために鍛えているのか分かりません(笑)。
強めの脚トレーニングをするなら、釣行直前ではなく数日前までに済ませておく方が使いやすいです。
前日は軽く身体を動かす程度にして、睡眠や食事、当日の準備を優先します。
筋肉痛が強く残っていたり、身体が重かったりする日は、予定していた負荷を落とすのもありです。
筋トレだけでなく「座りっぱなしを減らす」のも大切
デスクワーク中心だと、朝から夕方までほとんど椅子に座っている日もあります。
僕自身、「筋トレの時間だけ動いて、残りはずっと座る」より、仕事中にも少し歩いたり立ったりする方が生活には取り入れやすいと感じます。
たとえば、
- 飲み物を取りに立つ
- 昼休みに少し外を歩く
- 電話中に立つ
- 帰りに少し遠回りする
くらいでも構いません。
運動にはさまざまな健康上のメリットがありますが、「このメニューで肩こりや腰痛が治る」などとは考えない方がいいです。
身体を動かしたあとに「ちょっとスッキリしたな」と感じることはあっても、痛みの原因は人それぞれ。
肩や腰などに強い痛みが続いているなら、筋トレだけで何とかしようとせず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
どのくらい続ければ渓流で変化を感じる?
ここも気になるところですよね。
「3日やれば体力アップ!」みたいなことは言えませんが、1〜2回トレーニングしただけで判断するのも早いです。
まずは4〜8週間くらい、無理なく継続してみる期間をひとつの目安にするのがおすすめです。
見るのは筋肉の見た目ではなく、実際の釣行。
- 以前より昼過ぎまで脚に余裕があるか
- 入渓までの歩きで息が上がりにくくなったか
- 帰り道に余力が残っているか
- 翌日の疲れ方はどうか
このあたりを比べてみます。
変化が小さければ、ウォーキング時間や筋トレの回数を少し増やす。
逆に疲労が強すぎるなら減らす。
数字だけではなく、実際の釣行を答え合わせにするのが一番分かりやすいと思います。
運動中に強い痛みや体調の異変が出たら中止する
トレーニングは、無理をして続けるほど偉いわけではありません。
運動中に、
- 胸の痛み
- 強い動悸
- めまい・ふらつき
- いつもと違う強い疲れ
- 関節や筋肉の強い痛み
- 冷や汗などの体調変化
が出た場合は、その場で運動を中止します。
また、持病がある人、運動によって悪化する痛みがある人、長く運動から離れていて強度の高いトレーニングを始めたい人は、必要に応じて医師などへ相談してから始めてください。
トレーニング前には軽く身体を動かしてウォームアップし、最初から全力で始めないことも大切です。
身体を作る目的は「もっと奥へ行く」ではなく、余裕を残すこと
体力がついてくると、「もっと遠くまで行けそう」と思うかもしれません。
でも、渓流で一番ありがたいのは、行動範囲が広がることより同じ釣行で余裕が残ることだと思っています。
足元を見る余裕がある。
帰り道の体力が残っている。
最後のポイントでも集中してキャストできる。
疲れたら無理せず戻れる。
こっちの方が大切です。
最新のロッドやリールも欲しくなりますが、平日に20分身体を動かすのはほぼ無料です(笑)。
そして、その積み重ねが週末を少し楽にしてくれるなら、かなりコスパのいい釣り道具なのかもしれません。
ユウ
この記事で確認した情報
身体活動・筋力トレーニングの目安や、安全に運動を始めるための考え方については、以下の情報を確認しています。
※この記事で紹介している種目・回数・時間は、健康な成人が運動習慣を作る際の始めやすい目安として紹介しています。体力や運動経験には個人差があります。持病や痛みがある場合、運動中に体調の異変が出た場合などは無理に続けないでください。

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