奥多摩町の山深いエリアを流れ、多摩川へ合流する「日原川」。雲取山周辺を源流域とし、巨岩と深い谷が続く、奥多摩を代表する本格的な渓流です。
釣り場としての日原川は、区間によって性格が大きく変わります。奥多摩駅に近い下流側から、日原街道沿いの中流、さらに山深い上流へ進むにつれて、谷の深さや入退渓の難しさも増していきます。
ヤマメ・イワナなどを狙える自然河川ですが、放流も行われているため、「自然河川だから釣れる魚がすべて天然魚」というわけではありません。自然の中で育った魚と放流魚の両方を含めて楽しむフィールドとして考えるのが自然です。
この記事では、日原川の渓相、対象魚、遊漁期間・遊漁券、2026年シーズンの放流、アクセス、安全面、日原川沿いの管理釣り場まで、公式情報を中心に整理します。
YUZAN RIVER PROFILE
奥多摩を代表する山岳渓流。奥多摩駅に近い下流から山深い上流まで規模が大きく、巨岩・強い流れ・深い谷など、本格的な自然河川の要素が詰まっています。
日原川では渓流釣り中の救助事例もあります。特に谷が深い区間では、道路から川が見えても安全に入退渓できるとは限りません。急斜面を自己判断で降りず、退渓ルートまで確認してから入渓しましょう。
日原川の概要と渓相
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エリア | 東京都西多摩郡奥多摩町・氷川〜日原地区 |
| 水系 | 多摩川水系 |
| 源流域 | 雲取山周辺 |
| 管轄 | 奥多摩漁業協同組合・氷川漁業協同組合/内共第1号 |
| 主な渓流対象魚 | ヤマメ・イワナ・ニジマス |
| 支流の遊漁期間 | 3月1日〜9月30日 |
| 公共交通 | JR奥多摩駅から西東京バス・日原方面 |
| 特徴 | 深い渓谷/巨岩/水量のある流れ/区間による難易度差 |
日原川は、雲取山周辺の山域から流れを集め、奥多摩町の日原地区を通り、氷川で多摩川へ合流する河川です。
東京都建設局が管理する区間だけでも、小川谷との合流点から多摩川合流点まで約9kmあります。さらに上流には大雲取谷・小雲取谷・長沢谷・唐松谷など、多くの沢や谷が広がっています。
奥多摩町の渓流釣りガイドでも、日原川は奥多摩を代表する自然河川のひとつとして紹介されています。
日原川は区間によって川の規模や入退渓条件が大きく変わります。
奥多摩駅に近い下流側は、上流の山岳区間と比べれば道路や施設に近い場所があります。
一方、上流へ進むほど谷は深くなり、巨岩、水量のある流れ、急な斜面など本格的な渓谷の要素が増えていきます。
ただし、「下流だから初心者でも安全」という意味ではありません。
日原川では実際に渓流釣り中の救助事例もあるため、自分の経験と装備に合わせて釣る区間を選ぶことが重要です。
対象魚・遊漁期間・遊漁券
日原川が含まれる内共第1号では、ヤマメ・イワナ・ニジマスが渓流魚の漁業権対象魚に含まれています。
自然河川としてヤマメやイワナを狙える一方、日原川では放流も行われています。
そのため、「日原川で釣れるヤマメ・イワナはすべて天然魚」と考えるのではなく、自然繁殖した魚と放流魚の両方が存在しうる河川として捉えるのがよいでしょう。
2026年シーズンの奥多摩漁協案内では、日原川を含む支流は魚種を問わず3月1日〜9月30日が遊漁期間です。
多摩川本流ではニジマスを12月31日まで狙える期間がありますが、日原川では9月30日でその年の遊漁を終了します。
| 遊漁券 | 2026年料金 |
|---|---|
| 年券 | 8,000円 |
| 日券 | 2,500円 |
| 日券・現場売り | 3,500円 |
年券には本人の顔写真が必要です。
満77歳以上・身体障害者・中学生は半額、小学生以下は無料と案内されています。
1日券はセブンチケットでも購入でき、2026年の「奥多摩川本流・各支流 全魚種1日券」の商品番号は113-865です。
コンビニ券は購入した日が有効日になるため、釣行当日に購入してください。
2026年の放流と基本ルール
奥多摩漁協の2026年放流案内では、日原川・海沢川・水根川が3月1日と5月10日の放流対象として掲載されています。
ただし日原川については、「安平」「かじや下」「伊勢橋下」の3地点では放流中止と明記されています。
そのため、過去の放流地点情報をそのまま現在の釣行ポイントとして利用しないようにしてください。
また、公式案内ではこの項目について地点ごとの魚種別尾数までは確認できないため、本記事でも数量を推測して掲載しません。
| 魚種 | 採捕できないサイズ |
|---|---|
| ヤマメ | 12cm以下 |
| ニジマス | 12cm以下 |
| イワナ | 15cm以下 |
奥多摩漁協では、ヤマメ・イワナ・ニジマス3魚種を合わせた1日あたりの総捕獲数を20尾以下としています。
- ヤマメ・イワナ・ニジマス:3魚種合計20尾以下
- ヤマメ・ニジマス:12cm以下はリリース
- イワナ:15cm以下はリリース
- 竿釣りは1人1本以内
- 日没から日の出までは遊漁不可
- 遊漁証は外部から確認できるよう着装
日原川での釣り方と入退渓
日原街道は日原川に沿うように上流へ続きますが、道路と川の間に急な斜面や崖がある場所も少なくありません。
「川が見えるから降りられそう」と判断して斜面へ入るのではなく、安全に利用できるルートかを確認してください。
入渓する前に、
- どこから川へ入るか
- どこから道路へ戻るか
- 増水した場合でも戻れるか
- 暗くなる前に退渓できるか
まで考えておくことが重要です。
日原川では、小さな沢だけを釣る場合と違い、流れそのものに強さがあります。
ルアーでヤマメ・イワナを狙う場合は、
- 巨岩の裏にできる反転流
- 大きな淵への流れ込み
- 白泡が消える位置
- 流芯と緩い流れの境目
- 岸際の深みや岩陰
などを意識するとポイントを読みやすくなります。
渡渉できるかどうかは平水時と増水時で大きく変わります。向こう岸へ渡ったあとに水位が上がると戻れなくなる場合もあるため、流れが強い日は無理に横断しないでください。
アクセス・駐車
公共交通の起点はJR青梅線・奥多摩駅です。
西東京バスでは奥多摩駅1番のりばから日原方面へ向かいます。
- 奥20系統:鍾乳洞行 ※平日のみ
- 奥21系統:東日原行
どちらも大沢・川乗橋など日原川沿いを通ります。
日原鍾乳洞まで向かう場合は、奥多摩駅からバスで約35分が目安です。
本数が限られるため、川へ入る前に帰りの便まで確認してください。
日原街道沿いは集落・施設・山林が続き、自然河川の釣り人向け駐車場が各入渓地点に用意されているわけではありません。
奥多摩駅周辺を起点にする場合は、町営駐車場や有料駐車場を利用し、そこからバスなどを組み合わせる方法があります。
なお、奥多摩町役場庁舎駐車場は役場利用者以外も利用できますが、目的外利用は最初から有料です。
日原街道の路肩、待避所、住宅前、林道入口などを自己判断で駐車場所として利用するのは避けてください。
日原川沿いの管理釣り場
日原川には、自然河川とは別に管理された釣り場があります。
ただし、元記事に掲載していた3施設すべてが通常営業しているわけではありません。
日原川の下流、奥多摩駅から徒歩約7分の場所にある管理釣り場です。
広く比較的平坦な河原を利用した施設で、自然河川へ入る前に川釣りそのものを経験したい人にも利用しやすい環境です。
所在地:東京都西多摩郡奥多摩町氷川397-1
日原川中流部の巨岩が点在する自然環境を活かした管理釣り場です。
渓流エリアではルアー・フライ・テンカラなどの疑似餌釣りを楽しめ、初心者向けにはエサ釣り専用池も用意されています。
管理されたフィールドですが、自然の日原川を利用しているため、通常の人工池型エリアとはかなり違う渓流らしい釣りを体験できます。
所在地:東京都西多摩郡奥多摩町日原68
日原川上流には「日原渓流釣場」がありますが、奥多摩町観光産業課では当面の間、営業休止と案内しています。
日原地区の観光案内でも、旧指定管理者による営業は終了し、今後の再開時期は未定とされています。
そのため、以前の記事や観光情報を見て「上流の日原渓流釣場へ行けば営業している」と考えず、営業再開の公式案内を確認してください。
エリアトラウトと自然河川の違いについては、エリアトラウトとネイティブトラウトの違いを解説した記事も参考にしてください。
日原川で特に注意したい安全面
東京消防庁は、日原川で渓流釣りに出掛けた男性が負傷し、山岳救助隊がロープと担架を使って日原林道まで約80m引き上げた事故を紹介しています。
また、奥多摩消防署管内では渓流釣りの事故が毎年複数件発生しているとして、天候確認、安全な場所での釣行、可能な限り複数人で行動するよう呼びかけています。
日原川では特に、
- 急斜面を無理に下降しない
- 単独で難しい上流区間へ入らない
- ウェーディングシューズなど適切な装備を使う
- 前日・当日の降雨を確認する
- 濁りや水位上昇を感じたら退渓する
- 家族などへ行き先を共有する
- 携帯電話が通じない前提でも行動を考える
といった備えが重要です。
日原地区へ向かう都道204号・日原街道は、東京都の連続降雨による通行規制区間に指定されています。
連続雨量140mmに達すると通行止めとなるほか、規制値に達していなくても落石・土砂崩れ等のおそれがある場合は規制されることがあります。
川の水量だけでなく、行き帰りに使う道路状況も含めて判断してください。
上流の登山道や林道を組み合わせる場合も、通行止めが設定されているルートがあります。一般的な地図だけを頼りにせず、奥多摩ビジターセンターの登山道・道路情報を確認しましょう。
渓流釣り全般の安全対策については、渓流釣りの危険と注意点でも詳しく解説しています。
よくある質問
A. 日原川が含まれる内共第1号では、ヤマメ・イワナ・ニジマスが渓流魚の漁業権対象魚です。自然繁殖した魚だけでなく放流も行われています。
A. 奥多摩駅に近い下流側には上流よりアクセスを組みやすい場所がありますが、日原川は自然河川で、下流でも急斜面や深い谷があります。初心者向けと一律には言えないため、無理のない短い区間から始めるか、管理釣り場で経験を積む方法もあります。
A. 2026年シーズンの奥多摩漁協案内では、支流は魚種を問わず3月1日〜9月30日です。日原川も9月30日でその年の遊漁を終了します。
A. はい。2026年シーズンは3月1日と5月10日の放流対象として掲載されています。ただし「安平」「かじや下」「伊勢橋下」は放流中止と案内されています。
A. 可能です。JR奥多摩駅1番のりばから西東京バスで東日原・日原鍾乳洞方面へアクセスできます。本数が限られるため、帰りの便まで確認してください。
A. 日原渓流釣場は営業休止中です。再開については奥多摩町や日原地区からの公式案内を確認してください。
本記事の遊漁期間・料金・放流内容など年度によって変わる情報は、2026年シーズンの公式情報をもとにしています。日原川は自然河川であり、放流、河川水位、道路・登山道、バス、管理釣り場の営業状況などが変化する場合があります。実際の釣行前には、奥多摩漁業協同組合・奥多摩町・西東京バス・東京都・奥多摩ビジターセンター等の最新情報と現地表示をご確認ください。
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