遊山メンバー
ユウ
都会の喧騒を離れ、澄んだ水と美しいトラウトを求めて少し遠くの川へハンドルを握る。僕たち東京に住むアングラーにとって、「遠征」はカレンダーに予定を書き込んだ瞬間からカウントダウンが始まる特別なイベントです。
今回、僕たちが目指したのは、山梨県を流れる超メジャー河川「桂川(かつらがわ)本流」。
都心からのアクセスが良く、豊かな水量と魚影の濃さで知られる川ですが、そのぶん全国からアングラーが集まるハイプレッシャーな激戦区でもあります。
この記事では、僕たち3人のレンタカーを使った前泊遠征のルーティーンから、本流での厳しい現実、保存してあった知恵を絞って大移動した支流「柄杓流川(しゃくながれがわ)」でなんとか手にした愛おしい1匹までの釣行記をお届けします!
1. 【前夜発】東京アングラーの遠征ルーティーンと、快適すぎた「ゲストハウス花水木」
僕たちのように車を持たない東京アングラーの遠征は、前日の夜から始まります。以前まとめた東京発のネイティブトラウトロードマップの通り、20時に都内でレンタカーを借りて、いざ山梨方面へ出発!この夜の高速道路を走っている時のワクワク感は、何度味わってもたまりません。
今回は朝一番のベストな時間を逃さないために、車中泊ではなく川のすぐ近くで前泊するスタイルを選びました。お世話になったのは、桂川本流のすぐ近くにある「ゲストハウス花水木」さんです。
(外部サイトリンク:ゲストハウス花水木(Booking.com))
「ゲストハウスの前泊って実際どうなんだろう?」と少しドキドキしていましたが、中に入ると驚くほど隅々まで清掃が行き届いていて非常に綺麗!通された和室の布団の下には、5センチほどのしっかりしたマットレスが敷かれていて、翌日の釣りに向けて泥のように深く、快適に睡眠をとることができました。
何より驚いたのがその圧倒的なコスパの良さ。今回は男3人で泊まって、なんと一人あたり約4,000円!(時期によって変動はあるみたいです)。これなら贅沢な遠征じゃなくても、週末にサクッと友達と利用しやすいですよね。
2. 【桂川本流】朝4:30起床!桂川公園から入渓するも、「見え鱒」に苦戦
翌朝は4:30にすっきりと起床し、花水木さんを後にして、事前に調べていた「桂川公園」へと向かいました。
この桂川公園は、車をきれいなパーキングに停めることができ、川までのアクセスも抜群。足場も比較的安定しているので、これから遠征を始めてみたい初心者の方にも自信を持っておすすめできるエントリーポイントです。
川へ降りると、美しい本流の流れが広がっていました。
入渓してすぐ、川の偏光グラス越しに、早くも大きなニジマスの魚影が視界に飛び込んできました!3人で一気にテンションが上がります。
しかし、ここからがメジャー河川の本当の厳しさの始まりでした。まさに以前お話しした、魚が見えるのに釣れない「見え鱒」の狙い方と諦め方のループに突入してしまったのです。何度もルアーをローテーションして、魚の目の前を通しますが、ニジマスたちは完全にルアーを見切っていてピクリとも反応してくれません(泣)。
そこから上流に向かって、川を歩きながらポイントを変えて投げ続けました。しかし、桂川本流はさすがの人気河川だけあって、僕たちのようなルアーマンだけでなく、職人のようなテンカラ釣りの方々がとても多く入っていました。
エサ釣りやテンカラなどののべ竿での川釣りが盛んな川ゆえに、魚にかかっているプレッシャーは想像以上。僕たちの未熟なミノーイングでは、警戒心の塊となったトラウトたちの心をこじ開けることができませんでした。「まだまだ技術が足りなすぎるな……」と本流の洗礼を受け、悔しさを滲ませながら、車を移動させて次なるポイントへ向かうことにしました。
3. 【支流へ大移動】柄杓流川へ!太郎・次郎滝からの入渓と、ミノーからスピナーへの切り替え
「このまま本流で粘っても厳しいかもしれない」と判断した僕たちは、事前に第2候補として調べていた支流の「柄杓流川(しゃくながれがわ)」へ思い切って大移動することにしました。
柄杓流川は、観光名所としても知られる「太郎・次郎滝」の近くから安全に入渓することが可能です。ここも車の駐車スペースが近くにあり、川までの高低差が少ないため、移動がとても楽で初心者にも優しい設計になっています。
移動しているうちに、それまでの曇天から少しずつ太陽の光が差し込んでくるようになりました。本流とは打って変わって、支流の中は他の釣り人の姿が全くなく、完全に僕たちの貸し切り状態!
本流での無反応っぷりから、魚たちは激しいミノーのアクションを嫌がっていると感じた僕は、ここで前回の記事で解説したばかりのスピナーの使い方とミノーとの使い分けの戦術を実践することにしました。ミノーを諦め、最後の救世主として信頼している3.5gのスピナーを結び、ただ巻きで優しくアプローチしてみます。
4. 【悲願のヒット】シングルバーブレスの洗礼と、15cmの愛おしいニジマス
スピナーに変えて、静かに流れの中を通してくると……。なんと、すぐに魚からの明確な答えが返ってきました!ククンッと竿先が絞り込まれる待望の生命感!
しかし、ここで焦ってしまい連続で2回もヒットした魚をバラしてしまいました……。僕は普段、魚へのダメージを最小限にするためにシングルのバーブレスフック(カエシのない針)を使っています。カエシがない針は、一瞬でも糸のテンションを緩めてしまうと簡単に外れてしまうため、自分の未熟さが思い切り出てしまいました。本当にショックでその場に崩れ落ちそうになりました(笑)。
でも、確実にスピナーの波動に魚が反応してくれている。そう信じて、今度はランディングネット(取り込み)の手順を頭の中でしっかりおさらいし、糸を絶対に緩めないよう慎重に巻き続けます。そして、ついにその時が来ました!
サイズこそ小さめですが、本流でコテンパンに打ちのめされ、バラシの絶望を乗り越えた末に出会えた1匹です。透き通った魚体の美しさに、「やったーー!!」と心の中で叫びました!やっぱり、苦労して手にした魚の価値はサイズに関係なく格別ですね。1匹釣れるとそれまでの疲れが吹き飛び、気分は一気に上々です!
この日の最終結果としては、ナオと僕がそれぞれ1匹ずつニジマスをキャッチし、オガは残念ながら0匹という結果に終わりました。最後の最後まで粘ったオガは車に戻る道中、本当に悔しそうな顔をしていましたが(笑)、こういう「誰かが釣れない日」があるのも渓流釣りのリアルな一面。お互いの失敗を笑い飛ばしながら、早くも「次はどこの川に行こうか!」と帰りのレンタカーの中で次の作戦会議が始まっていました。
まとめ:やっぱり仲間と行く前泊遠征は、最高の休日になる
山梨県・桂川遠征のリアルな釣行記をお届けしました。
メジャー河川の本流ならではのプレッシャーの高さに圧倒されましたが、快適なゲストハウスでの前夜祭、支流への機転を利かせた大移動、そしてスピナーで手にした悲願の1匹と、1秒たりとも退屈しない濃厚な休日になりました。
1人で行く静かな釣りもストイックで素敵ですが、気の合う仲間とレンタカーをシェアして、ワイワイと悩みを共有しながら歩く川は、楽しさが何倍にも膨らみます。オガのカタキを討つためにも(笑)、僕たちの東京アングラー遠征記はこれからも続きます!みなさんもぜひこの夏、大切な仲間を誘って少し遠くの美しい川へ冒険に出かけてみてくださいね!
今回の遠征で痛感したのは、「事前のバックアッププラン(第2候補の川)」を調べておく大切さです。もし桂川本流にしがみつき続けていたら、僕たちはおそらく3人揃ってボウズでトボトボ帰ることになっていました(笑)。少しでも厳しいなと感じたら、すぐ近くの支流へ切り替える柔軟なフットワークが、遠征で幸せになるための最大のコツかもしれません。オガ、次は絶対に釣らせるからまたレンタカー借りて行こうな!
僕たちの遠征ルーティーンが気になったら、事前のパッキングやもしもの時のトラブル対策もチェックしておきましょう!

TROUT FISHING
ALL CATEGORIES