遊山メンバー
ユウ
朝の静かな渓流で釣ったヤマメやイワナ。
それをクーラーバッグに入れてキャンプ場へ戻り、夕方になったら焚き火を起こす。
パチパチという薪の音を聞きながら、串に刺した魚が少しずつ焼けていく。
これ、釣りとキャンプが好きな人なら一度はやってみたいですよね。
僕も「釣った魚をその日の焚き火で食べる」という時間は、渓流キャンプのかなり好きなところです。
ただ、いざやってみると意外と難しい。
炎へ近づければ一気に表面が黒くなるし、遠すぎればなかなか焼けない。
さらに屋外では、魚の冷やし方や調理に使う水、火を使っていい場所なのかも考える必要があります。
この記事では、釣った魚の持ち帰りから、踊り串、塩の振り方、焚き火でじっくり焼く方法まで、渓流キャンプで一匹を塩焼きにする流れをまとめます。
- まずは「釣っていい川」と「火を使っていい場所」を確認
- 乾燥・強風の日は「焚き火をしない」選択もあり
- 朝釣った魚は、夕方まで必ず冷やしておく
- 下処理は「川の水」ではなく、飲める水で
- 塩はどのくらい?「全体は薄く、ヒレは少し多め」がやりやすい
- 一度はやってみたい「踊り串」
- 一番のコツは、炎ではなく「熾火」で焼くこと
- どのくらい離す?まずは焦げない距離から
- 焼き時間の目安は20〜30分。でも時間だけで完成にしない
- 完成は「ヒレ」ではなく、魚の中心まで火が通ったかで判断
- 焼けるまで待つ時間が、なんだかんだ一番楽しい
- 魚が焼けても、火の始末が終わるまではキャンプ飯は終わらない
- 自分で釣った魚を、その日の焚き火で食べる
- この記事で確認した情報
まずは「釣っていい川」と「火を使っていい場所」を確認
料理を考える前に、この2つだけは先に確認します。
ひとつは、釣りをする川の遊漁ルール。
もうひとつは、キャンプ場の火気ルールです。
ヤマメやイワナなどには河川ごとに遊漁期間やサイズ制限などが設定されている場合があります。
「夕飯にしたいから一匹持って帰ろう」と思っていても、持ち帰っていい魚でなければ当然キープできません。
そして焚き火。
川の近くだから自由に火を焚いていい、というわけではありません。
キャンプ場によって、
- 直火OK
- 焚き火台のみOK
- 指定された場所だけOK
- 焚き火そのものが禁止
などルールはさまざまです。
国立公園などでは、キャンプや焚き火を決められた場所以外で行わないよう案内されている場所もあります。
僕なら、魚を釣ってそのまま河原で火を起こすのではなく、焚き火・調理が認められているキャンプ場へ戻って焼く形にします。
乾燥・強風の日は「焚き火をしない」選択もあり
キャンプ場で焚き火OKでも、その日の状況まで無視していいわけではありません。
特に空気が乾燥していて風が強い日は、火の粉が想像以上に飛びます。
2026年からは多くの地域で林野火災注意報・警報の仕組みも運用されています。
警報などが出ている場合や、管理者から火気使用を控えるよう案内されている場合は、その日の焚き火はやめます。
「魚まで準備したのに……」となりますが、そういう日はバーナーも含めて現地のルールに従い、設備のある炊事場へ変更するか、魚を持ち帰って家で焼けばOKです。
焚き火をする日は、
- 周囲に枯れ草など燃えやすいものがないか確認する
- 消火用の水を手元に用意する
- 火をつけたままその場を離れない
- 最後は完全に消火する
ここまでをセットで考えます。
朝釣った魚は、夕方まで必ず冷やしておく
朝に魚を釣って、夕方のキャンプ飯で食べる。
この場合、意外と長い時間があります。
朝6時に釣って夕方6時に焼くなら、約12時間。
その間ずっと常温で持ち歩くのは避けます。
持ち帰る魚を決めたら適切に処理し、保存袋などに入れて、保冷剤や氷の入ったクーラーバッグ・クーラーボックスで冷やしておきます。
特に夏場は、「川の水が冷たいから魚も大丈夫だろう」ではなく、釣ったあとから低温管理を始めると考えた方が分かりやすいです。
持ち帰りや保存については、こちらの記事で詳しくまとめています。
下処理は「川の水」ではなく、飲める水で
さて、キャンプ場へ戻ったら魚の下処理です。
ここでやりたくなるのが、目の前の綺麗な川で魚を洗うこと。
僕も渓流魚なら川の水でジャブジャブ洗いたくなる気持ちは分かります(笑)。
でも、調理には水道水や市販の水など、飲用できる水を使います。
透明に見える川や沢でも、その水が調理用として安全だとは限りません。
塩焼きにするなら、基本はこの流れ
- 冷やしておいた魚を調理直前に取り出す
- 腹を開いて内臓を取り除く
- エラを取り除く
- 腹の中の血や汚れを飲用できる水で洗う
- キッチンペーパーで水分をしっかり取る
- 全体へ塩を振る
魚を触った手や包丁で、そのままサラダや焼き上がった魚を触らないことも大切です。
屋外だと洗い場が自宅ほど便利ではないので、生魚用のナイフ・トングと、食べるときの箸を分けておくとかなりラクです。
塩はどのくらい?「全体は薄く、ヒレは少し多め」がやりやすい
塩焼きなので、もちろん塩を振ります。
ただ、身まで真っ白にするほど大量に振る必要はありません。
僕なら魚の両面へ薄く均等に振って、尾ビレ・背ビレなどには少し多めに塩を付けます。
ヒレへ多めに塩を付けるのが、いわゆる化粧塩です。
見た目が綺麗になりますし、ヒレ先が焦げすぎるのを抑えやすくなります。
ただし化粧塩は安全な加熱を判断するものではありません。
ヒレが綺麗に立ったから中まで焼けている、とは考えないようにします。
一度はやってみたい「踊り串」
ここから、ちょっと楽しい作業です。
旅館や釣り堀で出てくる塩焼きって、魚が泳いでいるような形で串に刺さっていますよね。
あの曲線をつけた串打ちが「踊り串」です。
普通に真っすぐ刺して焼いても味は変わりません。
なので「踊り串じゃなきゃダメ」ではないんですが、キャンプでやると妙にテンションが上がるんですよね(笑)。
初心者なら、無理に複雑に刺さなくてもいい
僕なら最初は、魚の形を軽くS字に曲げながら、身の厚い部分を数か所通して串へ固定するくらいから始めます。
ポイントは、
- 焼いている途中で魚が串の上でクルクル回らない
- 尾側までしっかり固定されている
- 身を必要以上にボロボロにしない
こと。
竹串は思ったより先端が鋭いので、魚を手で強く握った状態で勢いよく押し込まず、ゆっくり進めます。
見た目を完璧にしようとして魚と30分格闘するくらいなら、最初は真っすぐ気味でも全然OKです(笑)。
一番のコツは、炎ではなく「熾火」で焼くこと
そして、いよいよ焚き火へ。
ここで僕が最初にやらかしたのが、燃え上がる炎へ魚を近づけすぎることでした。
ボーボー燃えている焚き火の横へ串を置く。
すぐに皮が焼けてきて、
「お、もう食えるじゃん!」
とテンションが上がる。
かぶりついてみたら、外は焦げているのに中が全然焼けていない。
あれは普通にへこみます(笑)。
魚をじっくり焼きたいなら、使いやすいのは熾火(おきび)です。
薪が燃えて炎が落ち着き、赤く熱を持った状態になったら魚を近づけます。
炎を直接当て続けるより、少し距離を取って熱を当てる方が、表面だけ先に真っ黒になる失敗を減らしやすいです。
どのくらい離す?まずは焦げない距離から
「火から何cm離せばいい?」と聞きたくなるところなんですが、焚き火は毎回火力が違います。
薪の種類も違えば、熾火の量も違う。
なので、固定で「30cmなら正解」と決めるより、魚の表面が一気に焦げない距離から始めます。
僕なら最初は少し遠めに立てて、皮の乾き方を見ながら少しずつ位置を調整します。
「全然色が変わらないな」なら少し近づける。
逆に数分で黒くなり始めるなら遠ざける。
焚き火料理って、この微調整をしている時間もけっこう楽しいんですよね。
焼き時間の目安は20〜30分。でも時間だけで完成にしない
ここも具体的な目安が欲しいところだと思います。
15〜25cm前後のヤマメやイワナを、炎ではなく熾火の熱でゆっくり焼くなら、20〜30分前後から焼け具合を確認していくのがひとつの目安です。
ただし、これは「30分焼けば必ず食べられる」という意味ではありません。
魚の大きさ、熾火の量、火との距離、気温などでかなり変わります。
特に大きめの魚なら、もっと時間がかかることもあります。
なので僕なら、
- まず熾火でゆっくり焼く
- 途中で向きを変えて両面へ熱を入れる
- 20分前後から中心の焼け具合を確認する
- 中まで火が通っていなければそのまま追加で焼く
という感じで進めます。
完成は「ヒレ」ではなく、魚の中心まで火が通ったかで判断
元気よくヒレが立って、皮がパリッとして、良い香りがする。
この状態を見るともう食べたくなります(笑)。
でも、見た目だけでは中心まで十分に加熱できているか分からないことがあります。
食中毒予防で使われる一般的な加熱の目安は、中心部75℃で1分以上です。
アウトドアで確実に確認したいなら、小型の料理用温度計を一本持っていくと分かりやすいです。
焚き火で塩焼きにするときの目安
- 火:炎が落ち着いた熾火を使う
- 距離:表面が一気に焦げない少し遠めから始める
- 時間:小〜中型なら20〜30分前後から焼け具合を確認
- 途中:向きを変えて両面へ熱を入れる
- 仕上げ:中心まで十分に加熱する。目安は中心75℃で1分以上
つまり、
20〜30分=焼き時間の目安。
75℃で1分以上=加熱を確認するための目安。
この2つは分けて考えると分かりやすいです。
焼けるまで待つ時間が、なんだかんだ一番楽しい
焚き火の塩焼きって、フライパンみたいに5分で完成する料理ではありません。
薪を燃やして熾火を作って、魚を立てて、向きを変えながら待つ。
けっこう時間がかかります。
でもキャンプだと、その待ち時間が全然イヤじゃないんですよね。
「今日あそこの淵でデカいの追ってきたよな」
「いや、あれ絶対バレた魚の方がデカかったって(笑)」
みたいな話をしながら、魚が少しずつ焼けていくのを見る。
個人的には、この時間込みで渓流キャンプ飯だと思っています。
魚が焼けても、火の始末が終わるまではキャンプ飯は終わらない
魚を食べ終わったら、最後に火を完全に消します。
表面だけ黒くなった薪や炭でも、中に熱が残っていることがあります。
管理されたキャンプ場なら、灰や炭の処分方法も決まっていることが多いので、そのルールに従います。
川へ炭や灰を流したり、そのまま土へ埋めたりはしません。
魚の内臓や食べ残しも同じです。
自然のものだから戻していい、ではなく、持ち帰るかキャンプ場指定の方法で処理します。
釣って、焼いて、食べて、片付ける。
そこまで終わって一日終了です。
自分で釣った魚を、その日の焚き火で食べる
料理だけを考えれば、自宅のグリルで焼く方が簡単です。
火力は安定しているし、洗い場もあるし、温度も確認しやすい。
それでも一度はキャンプでやりたくなる。
朝、自分で川を歩いて釣った魚だからなんでしょうね。
表面は香ばしく、中はふっくら。
そこに川を歩いた一日の記憶まで乗ってくる。
少しくらい串が曲がっていてもいいし、旅館みたいな完璧な形じゃなくてもいい。
ちゃんと冷やして、清潔に処理して、中までしっかり焼く。
それさえ押さえておけば、初めての焚き火塩焼きとしては十分です。
ユウ
この記事で確認した情報
キャンプで魚を調理するときの水・保冷・加熱や、屋外で火を使うときの注意点については、以下の公的情報も確認しながらまとめています。
※焚き火・バーナー等の使用ルールはキャンプ場や地域によって異なります。現地の管理者・自治体などが案内する最新のルールを確認してください。また、焼き時間は魚の大きさや火力によって変わります。時間や見た目だけで判断せず、中心まで十分に加熱してから食べましょう。

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