東京都八王子市上恩方町を流れる「醍醐川(だいごがわ)」。八王子市最高峰の醍醐丸を水源とし、山深い醍醐地区から北浅川上流域へ流れ下る、延長約3.8kmの小さな渓流です。
北浅川本流と比べると川幅はかなり小さく、上流へ進むほど谷が狭く深くなっていくのが特徴。大きな瀬や広い淵を釣るというより、岩の裏、小さな落ち込み、流れのヨレといった源流らしい小さなポイントを一つずつ探るヤマメ釣りが中心になります。
さらに醍醐川は、恩方漁業協同組合によってヤマメの成魚・稚魚・発眼卵を組み合わせた増殖が行われている上流域でもあります。
今回は、醍醐川の渓相、ヤマメの解禁・放流、遊漁券、禁漁期間、高尾駅からのアクセスまで、八王子市・東京都・恩方漁業協同組合などの公式情報を中心に整理します。
YUZAN RIVER PROFILE
八王子最高峰・醍醐丸から流れる源流型の小渓流。公共交通で関場まで行けますが、上流は徒歩移動が中心になるため、初めてなら無理に奥まで入らず安全に戻れる範囲で楽しむのがおすすめです。
醍醐川と案下川の合流点より上流は、10月1日から翌年のマス類解禁前日まで全魚種の遊漁が禁止されます。
醍醐川の概要と特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エリア | 東京都八王子市上恩方町 |
| 水系 | 多摩川水系・浅川上流域 |
| 延長 | 約3.8km |
| 水源 | 醍醐丸周辺 |
| 上流端 | 上恩方町3256・ににく橋 |
| 主な渓流魚 | ヤマメ |
| 管轄 | 恩方漁業協同組合 |
| 漁場 | 内共第5号 |
| ヤマメ遊漁期間 | 解禁日〜9月30日 |
| 上流域の特徴 | 10月1日から翌解禁前まで全魚種遊漁禁止 |
| 公共交通 | 高尾駅北口から西東京バス「関場」方面 |
醍醐川の水源となる醍醐丸は標高867m。八王子市が公式に市内最高峰として紹介している山です。
八王子市の河川資料によると、醍醐川の延長は3.80km。上流端は上恩方町3256の「ににく橋」、下流端は浅川との合流点とされています。
関場付近から陣馬山方面へ向かう道とは別方向の醍醐地区へ入り、細い谷の中を流れているのも特徴です。
市の河川資料でも、醍醐川について「狭い川沿いにのどかな風景が広がるが、上流に行くにつれ谷が深くなっている」と紹介されています。
つまり同じ八王子の渓流でも、比較的川幅のある北浅川本流とは性格が違います。集落沿いの細流から山間の源流へ変わっていく短い支流として見ると、醍醐川らしさが分かりやすいでしょう。
ヤマメと放流・増殖
醍醐川で渓流釣りの中心となるのがヤマメです。
恩方漁協では北浅川水系でニジマス・ヤマメなどを対象に遊漁を管理していますが、醍醐川・案下川の上流部については、特にヤマメの放流・増殖が継続されています。
そのため本記事では、単に「北浅川水系で釣れる魚」をすべて並べるのではなく、醍醐川上流で公式の放流が確認できるヤマメを中心に紹介します。
2026年シーズンのニジマス・ヤマメ解禁は4月5日午前6時でした。
恩方漁協の解禁案内では、ヤマメ成魚600尾の放流場所として、
- 醍醐川:第3堰堤直下より上流
- 案下川:第2堰堤直下より上流
の2区域が明記されています。
ここで注意したいのは、600尾すべてを醍醐川へ放流したという意味ではないことです。
公式資料は醍醐川・案下川の2河川を放流場所として示しており、それぞれへの具体的な配分までは公表していません。
そのため本記事でも、「醍醐川に600尾放流」とは表現せず、両河川を合わせた放流計画として扱います。
醍醐川の特徴は、解禁日の成魚放流だけではありません。
恩方漁協の河川案内では、解禁後も5月・6月に醍醐川・案下川へヤマメ各300尾、7月にはニジマスとの混合で200尾を放流する計画が示されています。
さらにヤマメについては、発眼卵15,000粒の埋設や稚魚14,000尾の放流実績も案内されています。
ただし、これらの数字も醍醐川単独の数量として公表されているわけではありません。
醍醐川・案下川を含む上流域では、成魚だけでなく、発眼卵・稚魚から魚を育てる増殖も組み合わせていると理解するのが適切です。
遊漁期間・遊漁券・基本ルール
以下は2026年シーズンに恩方漁協が案内しているニジマス・ヤマメ河川の遊漁料金です。
| 遊漁券 | 料金 |
|---|---|
| ニジマス・ヤマメ等 年券 | 6,000円 |
| ニジマス・ヤマメ等 日券 | 1,500円 |
| 日券・現場売り | 1,800円 |
| 解禁日券 | 4,000円 |
| 雑魚日券 | 500円 |
通常の日券は1,500円ですが、ニジマス・ヤマメ解禁日のみ解禁日券4,000円となります。
年券には縦45mm×横35mmの写真が必要です。
また、77歳以上の方・障害者手帳を持つ方は半額、小学生以下は無料と案内されています。
遊漁券は指定販売店のほか、電子遊漁券にも対応しています。釣行前に購入しておけば、現地で監視員から購入する場合よりも安く利用できます。
東京都の内共第5号遊漁規則では、ヤマメ・ニジマスともに全長12cm以下は採捕禁止です。
小さなヤマメが掛かった場合は持ち帰らず、速やかに川へ戻してください。
また、ヤマメは1人1日20尾を超えて保持することができません。
規則上の上限まで持ち帰れるからといって、必ず上限までキープする必要があるわけではありません。源流部のような小さな川ほど魚の生息量も限られるため、必要な分だけ持ち帰る意識も大切です。
内共第5号遊漁規則では、危険防止・漁場管理のため日没から日の出までの遊漁は禁止されています。
上流へ入るほど谷が深くなり、周囲が暗くなる時間も早く感じられます。
夕方まで釣り続けるのではなく、明るいうちに道路や安全な場所へ戻れるよう余裕を持って退渓しましょう。
10月以降の禁漁ルールとC&Rの注意
醍醐川で特に重要なのが、秋以降のルールです。
東京都の内共第5号遊漁規則では、醍醐川と案下川の合流点より上流の区域は、10月1日から翌年のマス類解禁日前日まで遊漁禁止とされています。
これは「ヤマメだけ釣ってはいけない」という意味ではありません。
ニジマス・ウグイ・カジカなどを含め、区域内では期間中の遊漁そのものが制限されます。
北浅川本流では秋以降も釣りを楽しめる区間がありますが、醍醐川上流は別です。
9月30日でその年の醍醐川釣行は終了と考えておくと分かりやすいでしょう。
恩方漁協では、北浅川本流に秋季のキャッチ&リリース区間が設定されることがあります。
しかし、これは醍醐川そのものがC&R河川になるという意味ではありません。
醍醐川上流については、10月以降「キャッチ&リリースなら釣れる」のではなく、遊漁禁止区域になるという点を混同しないようにしましょう。
北浅川本流のルールを知りたい場合は、北浅川の渓流釣りガイドもあわせて確認してください。
醍醐川での釣り方
醍醐川は延長約3.8kmの小河川で、特に上流は川幅も狭くなります。
ルアーでヤマメを狙うなら、大きな淵だけではなく次のような場所を丁寧に探りたいところです。
- 小さな落ち込みの直下
- 石の裏側にできる流れの緩み
- 白泡が切れる場所
- 岸際のえぐれや木の根の下
- 浅瀬の中にある少しだけ深いポケット
- 流芯と緩流帯の境目
川幅が狭い場所では、長いキャストよりも数メートル先へ正確にルアーを入れる能力の方が重要になります。
枝や植生が頭上へ張り出す場所もあるため、取り回しのよい短めのロッドの方が扱いやすい場面も多いでしょう。
小規模な源流では水深が浅く、川底が見える場所も多くなります。
釣り人から魚を発見しやすい反面、魚からもこちらの動きが見えやすい環境です。
ポイントへ入るときは、川のすぐ横まで立ってから投げるのではなく、少し手前から魚が付きそうな場所を探してみましょう。
- 不用意に水へ入らない
- 大きな石や植生を利用して姿を隠す
- 下流側から静かに近づく
- 一投目を丁寧に入れる
こうした基本的な立ち回りが、小さな醍醐川では特に重要になります。
アクセス・駐車
公共交通を利用する場合の起点は、JR中央線・京王高尾線の高尾駅です。
高尾駅北口1番のりばから、西東京バス美32「陣馬高原下」行を利用できます。
この路線は北浅川沿いを進み、夕焼小焼を経て「関場」へ停車します。
関場は醍醐川方面と陣馬高原下方面を考えるうえで分かりやすい地点です。
ただしバスは関場から案下川・陣馬高原下方面へ進むため、醍醐川の上流域へ向かう場合は関場付近から徒歩移動が中心になります。
北浅川本流よりも、公共交通でバスを降りたあと自分の足で源流側へ入っていく釣行になる点は覚えておきましょう。
醍醐川沿いは集落と山間部を通る細い道路が中心です。
今回の調査では、醍醐川上流の渓流釣り専用として公式に案内されている駐車場を確認できなかったため、本記事では特定の路肩や空き地を駐車場所として紹介しません。
- 民家や私有地の入口をふさがない
- 農林業関係の作業道へ駐車しない
- 道路幅の狭い場所へ停めない
- 橋の前後や退避スペースを占有しない
- 現地の駐車禁止表示を優先する
源流へ近づくほど地域住民の生活道路としての性格も強くなるため、釣り人側の配慮が重要です。
醍醐丸と北浅川との違い
醍醐川の名前にもつながる醍醐丸は、標高867mの八王子市最高峰です。
関東ふれあいの道「富士見のみち」の一部でもあり、ハイキングの対象として知られています。
高尾駅から見ると、陣馬高原下へ向かうアクセスと醍醐丸登山のルートは近いエリアにありますが、釣り場と登山道は同じものではありません。
それでも、八王子最高峰の山から生まれた水が、わずか数kmの醍醐川を流れ、北浅川・浅川水系へつながっていくと考えると、この小さな川の地理が分かりやすくなります。
醍醐川は北浅川水系の記事とセットで語られやすい川ですが、釣り場としてはかなり性格が違います。
| 比較 | 醍醐川 | 北浅川本流 |
|---|---|---|
| 川の規模 | 小さい源流支流 | 比較的川幅がある |
| 主な釣り | ヤマメ中心の小渓流釣り | ヤマメ・ニジマスなど |
| キャスト | 短距離・小さなポイント中心 | 広い瀬や淵も狙える |
| 10月以降 | 上流は全面禁漁 | 区間・魚種により遊漁可能 |
| アクセス | 関場から徒歩で上流へ | バス停の選択肢が多い |
そのため醍醐川は、「北浅川の記事があれば十分」というより、八王子でより小さな源流を釣りたい人向けの個別フィールドとして考える価値があります。
よくある質問
A. はい。恩方漁協は醍醐川上流をヤマメの放流場所として公式に案内しており、解禁後にも醍醐川・案下川でヤマメの増殖を行っています。
A. 解禁日は年度によって公示されます。2026年シーズンは4月5日午前6時にニジマス・ヤマメが解禁されました。ヤマメの遊漁は9月30日までです。
A. 解禁日は別料金です。2026年は解禁日券4,000円、通常の日券は1,500円と案内されています。
A. 「600尾すべてが醍醐川」という意味ではありません。解禁案内ではヤマメ成魚600尾に対し、醍醐川と案下川の2河川が放流場所として指定されています。河川ごとの配分は公表されていません。
A. いいえ。醍醐川と案下川の合流点より上流は、10月1日から翌年のマス類解禁日前日まで遊漁禁止です。C&Rなら釣れるという区域ではありません。
A. 全長12cm以下のヤマメは採捕禁止です。釣れた場合は速やかにリリースしてください。また、ヤマメは1日20尾までの保持制限があります。
A. 可能です。高尾駅北口1番のりばから美32「陣馬高原下」行に乗り、「関場」で下車できます。ただし醍醐川上流へは関場から徒歩移動が中心になります。
A. 同じ恩方漁協・内共第5号の水系に含まれますが、川の規模や秋以降のルール、釣り方は異なります。醍醐川はより小規模な源流型のフィールドです。
本記事の解禁日・遊漁料金・放流計画など年度によって変わる情報は、2026年シーズンの恩方漁業協同組合公式情報をもとにしています。遊漁規則、放流予定、道路・交通状況などは変更される場合があるため、実際の釣行前には恩方漁業協同組合・東京都・西東京バス等の最新情報と現地表示をご確認ください。
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