山梨県北都留郡小菅村を流れる「小菅川」。東京都奥多摩町のすぐ西側にあり、奥多摩湖へ流れ込む多摩川源流域の渓流です。
小菅川の面白さは、単にヤマメやイワナを狙えることだけではありません。
通常の持ち帰り可能区間、キャッチ&リリース区間、橋立地区上流の5尾制限、通年禁漁の支流、さらに秋から冬のニジマス釣場まで、ひとつの川を区間ごとに使い分けながら資源を管理していることが大きな特徴です。
2026年シーズンは3月7日(土)正午に解禁し、一般のヤマメ・イワナ・ニジマス釣りは9月30日まで。遊漁規則ではワーム類にあたる軟質プラスチック製疑似餌の使用も禁止されています。
この記事では、小菅川の自然環境、対象魚、2026年の遊漁券、C&R区間、5尾制限、禁漁支流、冬季ニジマス、小菅村とヤマメの歴史、奥多摩・大月方面からのアクセスまで、公式情報を中心に整理します。
YUZAN RIVER PROFILE
多摩川源流の小菅村を流れる山間渓流。ヤマメ・イワナ・ニジマスを対象に、通常区間、C&R、上流5尾制限、禁漁支流、冬季釣場を組み合わせた細かな資源管理が特徴です。
小菅川は区間によってルールが変わります。C&R区間では疑似餌・バーブレスシングルフック・即時再放流が必要。通常区間を含めワーム類は使用禁止で、支流の宮川・山沢川・玉川は禁漁です。
小菅川とは|多摩川源流を流れる「ヤマメの郷」の川
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 山梨県北都留郡小菅村 |
| 水系 | 多摩川水系 |
| 管轄 | 小菅村漁業協同組合/内共第7号 |
| 対象魚 | ヤマメ・イワナ・ニジマス・ウグイ |
| 2026年解禁 | 3月7日(土)正午 |
| 一般遊漁終了 | 9月30日 |
| 特徴 | 通常区間・C&R・上流尾数制限・冬季釣場を使い分ける資源管理 |
小菅村は、東京都を流れて東京湾へ注ぐ多摩川の源流域に位置しています。
村の約95%を森林が占め、その森林で育まれた水を集めながら小菅川が流れ、下流では奥多摩湖へとつながっていきます。
東京都の多摩川本流の記事で扱うのは主に奥多摩湖より下流ですが、小菅川はそのさらに上流側に位置する山梨県の源流河川です。
距離的には奥多摩と近くても、管理する漁協、遊漁券、サイズ制限、釣り方のルールは別なので、東京側の遊漁券をそのまま利用できる川ではありません。
2026年の解禁・遊漁券・基本ルール
2026年の小菅川は、3月7日(土)正午に解禁しました。
一般河川でのヤマメ・イワナ・ニジマスの遊漁は9月30日までです。
解禁日は毎年漁協が決定するため、2027年以降も3月7日になるとは限りません。翌シーズンに利用する場合は、小菅村漁協や山梨県漁業協同組合連合会の最新案内を確認してください。
| 遊漁券 | 料金 |
|---|---|
| 日券・前売り | 1,500円 |
| 日券・現場売り | 3,000円 |
| 年券 | 6,000円 |
| 女性 | 通常料金の半額 |
| 中学生以下 | 無料 |
| 障害者手帳所持者 | 無料 |
現行遊漁規則では、コンビニやオンラインシステムを含む複数の前売り販売方法が設定されています。
釣行前に購入できる場合は、現地で監視員から購入するより前売りを利用した方が料金を抑えられます。
小菅川で特に注意したいのがルアーの素材です。
2026年6月1日施行の遊漁規則では、一般河川の竿釣りについても「軟質プラスチック製疑似餌」の使用を禁止しています。
つまり、C&R区間だけではなく、通常区間でも一般にワームと呼ばれる軟質プラスチック系ルアーは使わないようにしてください。
山梨県漁業調整規則では、マス類15cm以下の採捕は禁止されています。
小さなヤマメ・イワナ・ニジマスが掛かった場合は持ち帰らず、速やかに川へ戻しましょう。
C&R・5尾制限・禁漁支流|小菅川の資源管理
小菅川を他の渓流と大きく分けるのが、川全体を同じルールにせず、区間ごとに資源管理方法を変えていることです。
現行遊漁規則では、小菅村セト2120-4地内にある小菅村漁協の標識から、下流の金風呂橋までをC&R区間として設定しています。
この区間では、魚を持ち帰ることはできません。
- 疑似餌による釣りに限る
- かえしのない1本針を使用する
- 軟質プラスチック製疑似餌は使用しない
- 釣った魚は直ちに再放流する
C&R区間の境界は、住所だけで判断するよりも現地の漁協標識を確認する方が安全です。
一方、橋立地区の通称第1堰堤より上流では、持ち帰れる魚の数が1人1日5尾までに制限されています。
ここはC&Rではなく、「釣ることはできるが持ち帰り数を絞る」管理です。
同じ小菅川でも、C&Rと上流側の尾数制限ではルールの考え方が違います。
小菅村漁協の現行遊漁規則では、宮川・山沢川・玉川を禁漁区として一般河川の遊漁区域から除外しています。
小菅川へ注ぐ支流だからといって、すべての沢で釣りができるわけではありません。
地図上で細い沢を見つけても、「源流だから魚がいそう」という理由だけで入らないようにしてください。
小菅村には、自然河川とは別に村営第1釣場・村営第2釣場があります。
現行遊漁規則では、この2区間は一般河川の遊漁区域から外され、別途「特別遊漁料」が設定されています。
一般河川の日券を購入したからといって、村営釣場を同じ条件で利用できるわけではありません。
遊山では、管理釣場の料金・設備・攻略は今後のエリアトラウト記事で別に扱い、小菅川の河川ガイドでは一般河川との区分を間違えないために必要な範囲にとどめます。
小菅村とヤマメ|「ヤマメの郷」が育んだ文化
小菅川の記事でぜひ知っておきたいのが、小菅村とヤマメの長い関係です。
小菅村の公式情報では、1965年に橋立地区で民間として初めてヤマメの人工ふ化・養殖技術が確立されたと紹介されています。
現在も村ではヤマメを特産品として扱い、養魚場や飲食、地域のデザインなどさまざまな場所でヤマメ文化を見ることができます。
FISHPASSの小菅村漁協案内では、ヤマメ・イワナ・ニジマスの継続的な放流と、1999年からのC&R区間による資源管理が紹介されています。
ただし、「放流されているから魚影が必ず濃い」「いつ行っても簡単に釣れる」とは限りません。
水温、水量、先行者、季節などによって状況は変わります。
小菅川の魅力は釣果だけではなく、魚を育てる文化と、自然河川で魚を残す仕組みの両方が続いていることにあります。
冬季ニジマス釣場|10月以降の小菅川
ヤマメ・イワナの一般渓流シーズンは9月30日で終了します。
山梨県内では、10月1日からヤマメ・アマゴ・イワナが禁漁となり、これらの魚を狙って竿を出すこともできません。
一方、小菅川にはニジマスを対象にした冬季釣場があります。
FISHPASSでは、2026-2027年の小菅川冬季ニジマス釣場を2026年10月17日〜2027年2月28日として案内しています。
冬季は通常シーズンの年券ではなく、日釣券を利用します。
現行規則では、冬季ニジマス区間を池之尻河原の標柱を基準とした指定区間から頭首工までと定め、疑似餌による釣りに限定しています。
- 対象魚はニジマス
- 疑似餌による釣り
- バーブレスのシングルフック
- ワーム類は禁止
- キャッチ&リリース
- 冬季は日釣券を利用
冬季釣場の開始日は河川工事などで変更される年もあるため、毎年同じ日付とは限りません。
通常シーズンのC&R区間と冬季釣場を同じ場所だと思い込まず、その年の漁協案内・現地標識を確認してください。
アクセス・駐車・道路状況|奥多摩駅と大月駅から
小菅村は山梨県ですが、東京都奥多摩側からもアクセスできます。
小菅村観光協会によると、JR奥多摩駅から西東京バスの「小菅の湯」行きを利用し、終点まで約1時間です。
JR大月駅からも、富士急バスで「小菅の湯」方面へ向かう便が案内されています。
東京から向かう場合でも、出発地点や列車の接続によって奥多摩経由・大月経由を選べるのは小菅村の特徴です。
ただし、「小菅の湯」は村への公共交通上の代表的な目的地であり、釣り場そのものを示すポイントではありません。
小菅村観光協会では、奥多摩駅方面から国道411号・国道139号経由で約30分、大月ICから国道20号・国道139号経由で約30分と案内しています。
一般河川の釣り人専用駐車場を一覧化した公式情報は確認できなかったため、道路脇の空きスペースやキャンプ場・観光施設の駐車場を自己判断で釣り用に利用しないようにしましょう。
小菅村は村域の大部分を森林が占める山間地域です。
道路や林道では土砂崩れや台風による一時的な通行規制が発生することもあり、小菅村では最新の村内通行止め情報を公開しています。
釣行前には、目的区間だけでなく帰路も含めた道路状況を確認してください。
小菅川で気をつけたい安全・マナー
小菅川は多摩川本流より規模の小さい渓流ですが、山間部では上流側の降雨によって水位や流速が変化する場合があります。
- 前日・当日の雨量を確認する
- 急な濁りや水位上昇があれば川から離れる
- 渡渉を前提に退渓計画を組まない
- 道路・林道の通行規制を確認する
- 私有地や施設敷地へ無断で入らない
- C&R・禁漁区の標識を現地で確認する
とくに小菅川では、一般区間、C&R、尾数制限区間、禁漁支流、村営釣場が近い範囲に存在します。
地図だけで判断せず、現地の漁協標識を確認してから釣りを始めることが大切です。
よくある質問
A. 小菅村漁業協同組合の漁業権対象魚はヤマメ・イワナ・ニジマス・ウグイです。実際の釣果は季節、区間、放流状況などで変わります。
A. 2026年は3月7日(土)正午に解禁し、一般渓流シーズンは9月30日まででした。解禁日は毎年変わる可能性があります。
A. 使えません。現行遊漁規則では、一般区間を含め軟質プラスチック製疑似餌の使用を禁止しています。
A. できません。C&R区間は疑似餌による釣りに限られ、かえしのない1本針を使用し、釣った魚は直ちに再放流します。
A. 橋立地区の通称第1堰堤より上流は、1人1日5尾までです。通常区間すべてが5尾制限という意味ではありません。
A. いいえ。宮川・山沢川・玉川は現行遊漁規則で禁漁区となっています。
A. ヤマメ・イワナは10月1日以降禁漁です。一方、指定された冬季ニジマス釣場ではニジマスを対象にしたC&Rフィッシングが行われています。2026-2027年シーズンは10月17日〜2027年2月28日として案内されています。
A. 一般河川とは別です。小菅村営第1・第2釣場は現行規則でも一般河川区域から除外され、特別遊漁料が設定されています。
- 山梨県|漁業協同組合ごとの遊漁規則と漁場図
- 山梨県|小菅村漁業協同組合 内共第7号遊漁規則(2026年6月1日施行)
- 山梨県|山梨県漁業調整規則について
- 山梨県漁業協同組合連合会|令和8年度 渓流漁場の解禁情報
- 山梨県漁業協同組合連合会|渓流釣りの禁漁について
- FISHPASS|小菅川・小菅村漁協
- 小菅村観光協会|アクセス
- 小菅村総合情報サイト|小菅村について
- 小菅村総合情報サイト|ヤマメの郷・小菅村
- 小菅村総合情報サイト|村内通行止め情報
小菅川は、川幅や渓相だけを見れば東京近郊にもある山間渓流のひとつに見えるかもしれません。
しかし実際には、C&R区間、上流の持ち帰り制限、禁漁支流、ワーム禁止、冬季ニジマス釣場まで、魚を残しながら釣りを続けるための仕組みが川の各所に組み込まれています。
さらに、その背景には「ヤマメの郷」として魚と関わってきた小菅村の文化があります。
初めて訪れる場合は、ポイントをたくさん探すことよりも、まず釣る区間のルールを把握することから始めると、小菅川という川の面白さが見えやすくなるでしょう。
小菅川は、東京の奥多摩エリアの記事を作ってきた流れから見ると、とても面白い存在です。奥多摩湖を挟んですぐ隣なのに、県と漁協が変わるだけで遊漁券やサイズ制限、ルアーのルールまで大きく変わります。特にC&Rだけではなく、上流の5尾制限や禁漁支流まで組み合わせている点は、小菅川を知るうえで外せない部分だと思います。初めて行くときは「どこで釣れるか」だけでなく、「その区間をどう守っているか」まで確認して楽しみたい川です。

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